WINE

December 11, 2009

TESTAMATTAの白、BUGIA

Testamatta_bugia

 いやー、今年はなんか、ありがたいことに書評とかのお仕事もいただいたりしたのですが、その分、義務感で読む読書が少なからずありまして、純粋に本を楽しむという時間が足りませんでした。

 その反動のためか『坂の上の雲』をずっと読んでいまして、おまけに仕事も忙しくなり、すっかり更新がご無沙汰になっています。

 ということで、サクッと最近飲んで美味しかったワインの話を。

 トスカーナのシンデレラワインTESTAMATTA(テスタマッタ)の生産者は、もちろんBIBI GTAETZ(ビービー・グラーツ)。

 そのビービー・グラーツがテスタマッタと同じように、普通は熟成用の樽であるバリック(225リットル、フルボトル300本分)を縦に置いて。しかも蓋を外して発酵させてつくっている白ワインがBUGIA(ブジーア)。

Bibi_graetz

 葡萄は樹齢80年以上のアンソニカ。

 フツーにつくれば、カジュアルな出来になってしまうのですが、ビービー・グラーツの手にかかると、ブリック特有のバニラのアロマの他にシナモンも感じさせてくれます。

 味は飲みやすいのに深くさぐればテロワールのミネラルを感じさせてくれます。

 この人やっぱり凄いわ。

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June 19, 2009

景気回復とジャック・セロス

Jacques_selosse_initial_brut

 Jacques Selosse Initial Brutを飲みました。

 いわずと知れたNVシャンパンの最高峰。

 平均樹齢40年のアヴィズ、クラマン、オジェのグランクリュ畑のシャルドネから造られたブラン・ド・ブラン(Blanc de Blancs)。

 最初に飲んだ時には誰でも、その"濃さ"に驚くと思います。

 すごいアタック。

 でも、それに慣れると「これに慣れてしまったら、他のブラン・ド・ブランが薄く感じてしまうに違いない…」とそら恐ろしくなってきます。

 ニュアンスもミネラル感たっぷり。

 はぁ、こう書いているうちに、一本開けたくなります。

 で、少し買いためたんですよ。

 というのも、リーマン・ショックから下がりつつあった価格が上昇に転じてきたから。

 昨年の夏頃には、ユーロ高(今となっては笑ってしまいますが)もあって1本2万円近くしていたんですが、その後、世界的な不況と円高によって、1万3000円ぐらいまで下がりました。

 それが値上がりし始めているというのは、株価とともに、個人的な先行指標にしているシャンパン価格指数からしてもw景気は回復方向にいっているんですかね。

 目標値に到達するにしたがって、1本ずつ開けていきたいと思っています。

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March 24, 2009

Angheli Donnafugata 2005

Donnafugata_angheli

 年度末でいろいろ忙しく、なかなか更新できないのですが、WBC連覇をお祝いするような時にピッタリの美味しく、コストパフォーマンス抜群のワインを見つけましたのでご報告。

 今年はシチリアワインを集中的にいただいているのですが、シチリアの中でも大きなワイナリーであるドンナフガータのアンゲリ2005(Angheli Donnafugata 2005)

 ネロダヴォラ50%、メルロー50%を加えて、シチリアワイン特有のワイルドさを抑えた感じ。

 香りも落ち着いているし、味わいもベリーのニュアンスが楽しめます。

 マイルドな飲み口ながら全体としてはフルボディな印象。

 色も力強い。

 1本4000円程度なのに、スーパートスカーナに迫るコストパフォーマンス。

 おすすめです!

 にしても、ドンナフガータはフラッグシップのMille e Una Notteだけでなく、ミドルレンジでもいいワインをリリースしていますね。

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February 11, 2009

千夜一夜 Mille e Una Notte 2005

Mille_e_una_notte_2005_1

 スーパーシチリアーナ"Mille e Una Notte 2005"をいただきました。

 直訳すると「千と一夜」。もちろん「千夜一夜」です。

 エチケットも夜がモチーフ。深い紺色のベースに金文字でMille e Una Notteと刻されています。

 描かれているのはシチリアのサンタ・マルゲリータ・ディ・ベリーチェに実在する宮殿だそうです。

 カンティーナの名前はDONNAFUGATA(ドンナフガータ)。

 これも直訳すると「逃げた女」。ナポレオン軍の襲来から逃げたハプスブルク家の王妃がこの地に逃げてきたことに由来するんでしょうか。

 とにかく豪華な印象のエチケットですね。

Mille_e_una_notte_2005_cork

 コルクは偉そうに長いものは使っていません。

 「長期熟成させてくださいよ」とばかりの目一杯長めのコルクをこれみよがしに使わないところが奥ゆかしい。

 しっかりとコルクにも香りがついて、この時点でがかなり好感度アップしました。

 ブドウの品種はネッロ・ダヴォッラ種が90%、その他土着ブドウが10%。

 樽と瓶で36ヵ月間熟成された(ステンレスタンクで12日間発酵、バリックで24ヵ月、ボトルに充填されてから12ヵ月)フルボディ。

 抜栓して1時間、空気に触れさせてからグラスに注ぎましたが、まだその時点で開いていませんでした。

 グラスを回しながら空気に触れさせて、徐々に柔らかくしていきましたが、次に飲む時はデカンタージュします。

 最初は野性的でタンニンが強めという印象。

 香りはフルーツやヴァニラ。

 しっかりとした力強い味わい。

 ありふれた表現ですがパッションを感じます。

Beef_roast_allee_2

 ロースト・グリルした肉と相性が良いみたい。

 今年のテーマはシチリアーナかな。

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November 11, 2008

Novello '08

Novello_conti_zecca

 今年もNovello(ノベッロ)の季節がやってきましたね。

 ボジョレーなんちゃらは、「みんなよく飲むな」と思い、行きつけの店では「申し訳ないけど小生には『季節のもんだから』といっても絶対に飲ませようとしないでください」と言っているのですが、ノベッロは別もの。

 各ワイナリーが独自に今年のブドウの品質を確かめるためにつくっているだけあって、マズイの出したりしたらオワだからノベッロは悪くない。

 しかも、ちゃんと季節を感じさせてくれます。

 写真はプーリアの名門、コンティ・ゼッカのノヴェッロ・サレント2008。

 ネグラマーロ種とメルヴァジア・ネーラ種のブレンド。

 新酒独特の野いちごのような香りが楽しめます。

 アテはサラミがぴったりでしょうね。

 ちなみに、今年からボジョレーのチャーター便は半減したそうです。

 あんなのを飲ませ続ければ、そりゃ需要は…と思いました(ただでさえ世界的な不況で貿易量が落ち込む中で航空貨物業界などは痛いみたいですが)。

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September 17, 2008

Jaquesson Cuvee #732

Jaquesson732_1

例によって『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』シリーズ。「一年に1度は飲みたい10本」の中に選ばれていたのが、ジャクソン・キュベ732。

シャンパーニュ・ジャクソンのキュベはNV(ノン・ヴィンテージ)とはいっても、収穫年の個性を最良の形で引き出すことを続けているそうで、もちろん100%自社畑のみからのブドウで造られていいます。

で、創業100年を記念した1898年のワインを『キュヴェ1』とし、そこからナンバリングされています。

2001年のブドウでできたのが#731
2002年のブドウでできたのが#732

ということで、このキュヴェは732番目に生産されたシャンパーニュ。

少しだけ甘さを残しているのが、飲みやすい。

でも、しっかりしているというか、ガツンときます。後でアルザスのリースリング飲んだら、ちょっとアルザスが負けていましたもん。

例によって白ワイン用のグラスでいただきます。白い花の熟成した香りって感じでしょうか。

シャンパーニュのグラスに注いだら、盛大に細かな泡がはじけていました。

Jaquesson732_2

有名ですが、ナポレオンが愛し、皇帝から「メダユ・ドール(金メダル)」を授かり、メゾンの紋章としてナポレオンのシンボルである 「鷹や王冠」と共にエチケットに飾られています。

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September 09, 2008

アンドレ・クルエ シルバー ブリュット

Silver_burut_andre_clouet4

ワインこそホディだと断言するアンドレ・クルエのシルバー ブリュット(Andre Clouet Silver Burut)。

例によって白ワインのグラスでいただきます。

なんつうか古典的なスタイルなのに泡もきめの細かい。

味はやや甘い方向。

果実味が爽やか。

これはお買い得!

6000円ぐらいだけど、その倍ぐらいする12000円クラスの某有名キュヴェより絶対に美味い!

お勧めします!

スウェーデン王室御用達というのですが、あんなグルメ不毛の土地の王室だけど、まあ、料理人はさすがにわかってるんでしょうな。

とにかく、お安い。

Silver_burut_andre_clouet1

おそらくノーベル賞の受賞者ディナーにも供されると思いますが、さすがという感じ。

「一生に1度は飲みたい10本」の中に選ばれていたのですが、『死ぬまでに飲みたい30本のシャンパン』はなかなか使える本です。

次はナポレオンが愛したジャクソン・キュヴェ732いってみよう!

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September 03, 2008

ジェローム・プレヴォー ラ・クロズリー・レ・ベギーヌ

Jerome_prevost_la_closerie_les_begu

 『死ぬまでに飲みたいシャンパン』で気にかかりマイカーブに送りつけたのが"Jerome Prevost la Closerie les Beguines"(ジェローム・プレヴォー ラ・クロズリー・レ・ベギーヌ)。

 ジェローム・プレヴォー(Jerome Prevost)はジャック・セロスの当主アンセルム・セロスのお弟子さん。

 1997年に門を叩き、その仕事ぶりからアンセルムの信頼をかちえ、留守を任されるまでになったとのこと。

 スタイルも単一畑、単一品種、補糖無し、樽発酵などセロスを踏襲。

 その単一品種はピノ・ムニエ。畑は3ヘクタール程度と狭く、そこを一人で管理しているという。

 シャンパンはまず自然なワイン(un vin de Nature)でなければならない、ということらしいです。

 ということで、まったくドザージュ(リキュールなど糖分を加えること)も行っていないとか。

 これだけのシャンパンなので香りを味わうために白ワインのグラスでいただきます。

Jerome_prevost_la_closerie_les_be_2

 香りはスパイシィ。

 一緒に飲んだ人が「まるで貴腐ワインみたい」と印象を語るほどの濃い色。

 後口も長い。

 クリスタルとかドンベリよりも、これをずっと置いておきたいです。

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July 24, 2008

GREG NORMAN ESTATE 2005

 Greg_norman_estate_2005
 全英オープンでのグレッグ・ノーマンの活躍は素晴らしかったですね。

 かつて331週も1位を誇ったゴルフの世界ランクも600位台となっていましたが、シンプルに打ち下ろす力強いスイングに魅了されました。

 今ではゴルフコース設計やワイン販売などの事業も順調で、日本円で年商200億円ぐらいのコングリマットの代表ともなっています。

 特に有名なのがワイン。

 ヤラ・ヴァレーとクナワラという2つの名醸地から生まれるGREG NORMAN ESTATEシリーズは彼のゴルフスウィングに似てシンプルかつ力強い味わいのワインです。

 このCABERNET MERLOTは、クナワラ産のカベルネとメルローを使用したワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンのタンニンがちゃんと効いていて、メルローのブルーベリーを思わせるフルーティな香りも楽しめます。

 このワインを知ったのは5年ぐらい前ですが、ずっと飲んでいて、毎年、進歩している感じがします。

 彼のゴルフに対する取組みとか人生に対する前向きな姿勢も分けてもらえる感じ。

 思わず全英オープン3位を祝して抜栓してしまいました。

Greg_norman_white_shark

 価格は1本2200~2300円とデイリークラスですが、決して有名人のなんちゃってワイナリーではありません。

 スパイスも効いているのでスモーキーな肉料理などに合いそう。

 再婚したクリス・エバートとは本当にお似合いのカップルという感じがします。

 もう、男の中の男ですな。ある意味、理想的な人生。

 White Sharkにこれからも栄光あれ!

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June 01, 2008

Trimbach Gewurztraminer 2005

Trimbach_gewurztraminer_2005

 このところ、ヒートアイランドの夏場はキリリと冷やしたアルザスワインで乗り切っています。

 トリンバック(Trimbach)は安心して飲めるドメーヌといった感じでしょうか。ネゴシアンとして生産し、年間100万本あまりをリリースするという割には、良心的といいますか、個人的にはアルザスの八海山じゃないのか、と思って尊敬しつつ飲んでいます。

 ブドウ品種では、ゲヴュルツトラミネール(Gewurztraminer)が好きですね。

 いい年のワインだと、ライチといいますか、キンモクセイ(金木犀)を思わせる香りが広がるんですよ。

 2005は今年からリリースされたのかな?去年飲んでいた2004より圧倒的にいいです。2003も良かったけど、2005、素晴らしい。

 インターネットで買っても1本2500円前後とそんなに高いワインではありませんので、休日の午後なんかに開けるワインとして常備なさってみては、いかがでしょうか。

 個人的にすごく好きなワインです。

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