戸田の裏解説
サッカーのアジアカップは戸田の裏解説を堪能しています。
緒戦では原口の位置がおかしいと前半の早い段階で指摘して、後半始まると高いポジションで相手サイドバックを押し込み、さらに5ラインの内側に入って、長友のオーバーラップをやりやすくなっていると説明。実際に、日本代表は俄然、ペースを握っていったのはさすがだな、と。後出しじゃなく、ハーフタイムのボードでキッチリ説明していた。
オマーン戦でも、吉田からのロングボールが多く、そこから南野と堂安が相手DFの裏を狙っていると指摘。中盤で回してボールを奪われてからのカウンターを防いでいると指摘。その後、北川がポストプレーができないから、こういうオプションを使っているんだろうと解説。その割には、北川の左右の動きが5ラインの真ん中にほぼ限定されているので効いてないと指摘。後半、すぐの交替は予言かよ、と思ったほど。また、堂安の動きも満足できないと言っていたら交替された。
それはオマーンは6番が全然、前に出てこないから。武藤が入って、5ラインの真ん中3ラインぐらいの幅で動きだしたらペースを掴んで、伊藤が入って、さらに右サイドも活性化された。にしても、オマーンのピム監督は6番を上がらせないことでバランスとっていたのかも。もし、6番が上がっていたら、もっと日本にチャンスつくられていたのかな、とか。
日本代表vsウズベキスタンでも戸田の解説は「こうやってサッカーをみればいいのか」というのを生まれて初めて教えてもらった感じ。
クーペルとなって5戦みているというプレビューでは
・韓国に4点とられた後は19番のシュクロフがバランスをとって前には出ない
・ボールを持ったら攻撃はなかなかやり、22番はいい
・左右のSBの利き足が逆なのでアーリークロスはない
と言うあたりを強調していたが、これら3点を頭に入れておくだけで、試合展開というか、ボールの動くひとつ先が読める感じ。
ハーフタイム解説では、ミドルゾーンで日本は失いたくないというのはわかるけど、相手が動く前に蹴るのは気にかかる、と指摘。右サイドの伊東と室屋から崩す時のポジションが出来てない、佐々木が出られないように相手の17番が高いポジョンをとっていたとも。相手の右サイドからの攻撃を防ぐには、乾が攻撃しないで守備するか、2トップが流れるか、という戦術ボード解説はよく分かった。
後半ではスローインで間に入って抜けていたのはスタートのポジション悪いから、という指摘が印象的。乾の運んでキャンセルというプレーを高く評価していたのはなるほどな、と。原口はスペースを理解している選手という言葉も印象的。
野球の場合は、プロ野球、高校野球ともテレビの解説に関しては世界一だと感じているので、子供の頃から野球観は養われてきた感じはするのですが、サッカーに関しては一流の解説というのは本当に少なかった。試合そのものよりも、選手やクラブ情報に後付けしてプレーの印象を語るようなものばかりで、スカパーなどが衰退していった一つの原因は「解説がつまらない」ということだと思っています。
戸田の解説は「いまそこにある試合」のポイントを正確に指摘、それが何回も実際の試合で再現されるので、監督になった気分で観られというか、録画も同時に何回も視聴している感じぐらいの情報量を受け取れます。とにかく、これとヒロミの判定解説をNHKかDAZNはパッケージ化するべきだと思う。久々にサッカーで本物のエンターテイメントに出会えました。
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