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December 24, 2022

今年の1冊は『歴史総合 近代から現代へ』山川出版社

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 毎年、細々とやっている今年の1冊は、やはり山川の高校教科書『歴史総合』でしょう。それなりに近現代史の本は読んできたつもりでしたが、高校の教科書にもこんなに教わることが多いとは。流行の学び直しにも最適の1冊だと思いますので、ぜひ、冬休みの期間中などにも読んでみてください。山川は進学校向け、中堅校向け、そうでない高校向けと3種類の教科書を発行するほどの力の入れようなんですが、これは進学校向けです。また、写真の用語解説や学習ノートなどもぜひ。

 個人的に評価出来ない省庁No.1の文科省ですが、歴史総合の導入だけは褒めたいと思います。

 また、歴史総合の導入に合わせて、その意義などを解説する本も多く出版されましたが、『歴史学のトリセツ』小田中直樹、ちくまプリマー新書は、歴史好きの素人には抜けているような基礎を教えてもらいました。それはランケ以来の近代歴史学史の解説。近代歴史学は国民国家とともに始まり、史料収集なども国民国家の制度に乗ったものであるため、ナショナルヒストリーにならざるを得なかったが、それが限界でもあるため、世界システム論的な大きな流れの中で見直そうということになった、みたいな背景がよくわかります。

 岩波も新書でシリーズ歴史総合を学ぶを出していますが、この①『世界史の考え方』は参考になりました。
第一章のテーマは「近代化の歴史像」。紹介されている本は大塚久雄『社会科学の方法』、川北稔『砂糖の世界史』、岸本美緒『東アジアの「近世」』。
第二章「近代の構造・近代の展開」で紹介されているのは遅塚忠躬『フランス革命』、長谷川貴彦『産業革命』、良知力『向う岸からの世界史』。
第三章「帝国主義の展開」で紹介されているのは江口朴郎『帝国主義と民族』、橋川文三『黄禍物語』、貴堂嘉之『移民国家アメリカの歴史』。
第四章「二〇世紀と二つの世界大戦」で紹介されているのは丸山真男『日本の思想』、荒井新一『空爆の歴史』、内海愛子『朝鮮人BC級戦犯の記録』。
第五章「現代世界と私たち」で紹介されているのは中村正則『戦後史』、臼杵陽『イスラエル』、峯陽一『2001年の世界地図 アフラシアの時代』。
 全て新書などですが何冊か読ませてもらいました。

 目が弱くなって、Audibleがありがたくなっています。基本的にジムの運動の最中に英語のサビ落としで英語の本を聞いていたのですが、日本語の『同志少女よ、敵を撃て』逢坂冬馬がやはり素晴らしかったので、そこから『戦争は女の顔をしていない』スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチも聞きました。ロシアが変革を起こすとしたら、それはこうした女性たちではないかな、と年末に期待を込めて…。

 睡眠がブームになっていますが、Audibleで聞いた"Why we sleep"はためになりました。睡眠は学習、精神状態を改善し、ホルモンを調節し、癌、アルツハイマー病、糖尿病を予防し、老化を遅らせ、寿命を延ばすというんですから、積極的にフィットネス・トラッカーとAPPを使って睡眠管理に励んでいます。

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