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May 14, 2021

『ほんものの魔法使』ポール・ギャリコ

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『ほんものの魔法使』ポール・ギャリコ、矢川澄子(訳)、創元推理文庫

 小説を読むのは久々ですが、楽しく読了できました。

 なんで読んだかというと、雪組公演『ほんものの魔法使』の原作だから。単に原作だからということでは読んでいなかったかもしれませんが、ちくま文庫は品切で、仕方ないから"THE MAN WHO WAS MAGIC by Paul Gallico"の英語版でざっと読もうかと思ったらGoogle BookにもKindleにもない…「なんでだろ?ポール・ギャリコは映画の原作が多いからどっかで押さえられているのかな?」と飢餓感が生まれたからかな、と自己分析。とにかく絶版になっていたのを創元推理文庫で復刊してくれたは嬉しかったです。しかも、帯には主演のあーさ(朝美絢)のひとり写り!創元社は商売がわかってます。

 この小説、ものいう犬モプシーとはるばる山のむこうから旅してきた魔法使アダムが手品師の総本山ともいうべき都市「マジェイア」にやってきて…というファンタジー。旧約のアロンのつえ(Aaron's rod)がヘビに変身する話しや、五つのパンと二匹の魚を増やし人々に食べさせる新約のイエスによる奇跡のアナロジーなどをつかって、魔法と手品(科学的な知見を利用した合理的な技)の違い、合理性ばかりを追求して自然の奇跡を忘れた人々への警告などを描いています。原書は読んでいないのですが、英語では同じMagicという言葉で魔法と手品を表すことが物語の大きな伏線になっているんですかね。

 ともあれ、宝塚ファンとして。雪組のあーさとあがちんが台詞をしゃべってくれてるような感覚で読み進めることができました。一番、胸キュンとなったシーンはここ。

.....Quote.....
「アダム、やめてください」モプシーはにわかに真剣な口調になって、後脚で立ちあがると、前足を主人の膝にかけた
p.120
.....End of Quote.....

 あーさの膝に前足をかける犬に扮するあがちんモプシー…想像するだけでたまらん…脚本・演出の木村先生も、きっとこの場面を舞台上に再現してくれると確信しています。

 主人公アダムはあーさに合ってる!真面目なPUCKみたいなイメージ。

 あがちんの「喋る犬モプシー」も楽しみ。どんなつくりになるんでしょう?あがちんの演じるあーさにしか言葉がわからない皮肉屋の犬モプシー!『アリスの恋人』のたまきちがウサギの耳付けたみたいに、でかい図体に可愛いしっぽとか付けるんでしょうか?楽しみでしかありません。

 106期の華世京くんは凄く良い役のニニアン。完全に三番手の役です。研2なのに凄い抜擢。

 悪役のマルヴォーリオは桜路くんが似合いすぎ。マルヴォーリオと組むメフィスト星加梨杏くんも初めての黒い役?ゼルボの紗蘭令愛くんもこのグループ。

 原作は手品師が中心で女性はその助手という役回りだけなので、舞台化にあたっては、かなりオリジナルの役をつくっている感じですかね。

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