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November 01, 2020

"Bullshit Jobs: A Theory" David Graeber

Bullshit-jobs-david-graeber
ここにはアップするつもりはなかったのですが、白井某がへんな解釈をしているのが気になったので…。
ということで、筋トレしてプロテイン飲んだ後、200kcalぐらいバイクをこいで有酸素運動やってるんですが、その間、テレビやYoutubeを観ていても仕方ないのでAmazon Audibleで"読んで"います。
気になってはいたのですが、翻訳(『ブルシット・ジョブ クソどうでもいい仕事の理論』)を読むほどではないかな、ということで放っておいた本。引用先のようなまとめもあるし、最初の序章はアメリカンな本らしく、きっちり要約されているから大意がつかみやすい。
・聴き終わるまであと12時間とか、「あ、有酸素を20回ぐらいやれば"読了"か」とか分かる感じが新しい
・当たり前だが滑舌のハッキリした英語で、少しゆっくり目なので聴き取りやすい。
聞いているだけで忘れてしまいそうなのでメモをつづっていきます。正しいかどうかは保証できませんがw前も普通に書いて、そこにコメントつけていたんですが、埋もれてしまうのでこっちにしました。
序章
シットジョブ=ブルーカラーの汚れ仕事
ブルシットジョブ=ホワイトカラーのどうでもいい仕事
マフィアのヒットマンの仕事はブルシットジョブではない。なぜならボスから直接、指示が来るから
多くのブルシットジョブは下請けの下請けの下請けの仕事を、最終的には個人が請け負うような契約になっている
しかも、銀行員の仕事でさえ80%はブルシットジョブ
一章
ソ連ではプロレタリアートを失業させないために、ダミーな仕事を用意しましたが、現代資本主義社会でも、同じようにダミーな仕事がほとんどではないか
『銀河ヒッチハイク・ガイド』ダグラス・アダムスは、AとBとCという三つの宇宙船で出発するという構想で、経営管理者や会計士や広告担当者や美容師といった連中をまとめて先に宇宙に送り出し、残りのもっと創造的で生産性の高い人々はあとから行くよ、と言っておきながら出発しないというプロットですが、経営管理者や会計士や広告担当者は美容師とおなじぐらい大して役に立たない仕事だという意味でしょう。それらはフランキーな(おべっか使い)仕事といえる。
二章は様々なブルシットジョブに関するアンケートを元にした流れ
例えばオフィスビルの中にもエレベーター係などもいる
オフィスに入っても上司のスパムメールを削除する係
1時間半ぐらいしかマトモな仕事がなくほとんどの時間をYouTubeみて過ごす女性
映像のポストプロダクトで凄いSFの場面をつくれるのに、CMの俳優を痩せさせたりするような下らない映像処理ばかりやらされるプログラマー
クリーニング店のようなダクトテープみたいな仕事は確かに必要だが…みたいな
謝るだけの仕事をする人の表情にはメランコリーが浮かぶ
様々な調査も調査のための調査が多い
企業や組合の出す雑誌、テレビ番組なども下らないことが多い
タスクマスターの仕事も無駄な戦略づくりなど、おべっかつかいで、ブルシットジョブを管理しているだけのようなものが多い
なぜ効率化を追求する資本主義がブルシットジョブをうむのか?
Subjective Element(主観的)な見方かもしれないが、働いている人が本当に何のために働いているのかわからなくなるブルシットジョブが生み出され続ける、と。
三章
社会的な意味があるかどうか、正しい仕事かどうか、働いている人が判断できない、と。
なぜブルシットジョブは悲しいのか
会社内のコミュニケーションを改善させたり、UIを改善するためだけのコンピュータ技術者の仕事などは、金は稼げるけど無意味に感じる。
ヒマでマインスイーパをプレイするか、ポッドキャストを聞くだけの仕事
最悪のことは、知的需要が非常に不足していたため、考える時間が非常に多くなること
教育職では授業や授業の準備に費やす時間が減少し、管理タスクに費やされる時間が増加していることに似ている
ホモエコノミスト「経済人」の仮定、minimax(コストを最小化し、利益を最大化する)は間違っている
監獄で一日中テレビを見ているのは、過酷な労働よりも悪い運命だと感じている
ドイツの心理学者カールグルースがいう「遊びの理論」が必要
ニーチェ的「権力への意志」の背後には、自分とは違った外の世界があり、そこでゲームで勝ったり負けたりする喜びの認識がある
ペースを大まかに自分で計画するような仕事が伝統的だった
男は自分が物語をつくることができるような仕事を取って、残りを女性に割り当てようとする
また家父長制社会での女性の監督は他の女性によって行われていた
奴隷になることは自由意志を放棄することを求められていたので、芸術家を囲うことは難しかった
ピューリタン、メソジスト派、福音派の説教者たちは近代の始まりに「時間の浪費」についての説教を始めたのは、迎合的であることを示している
他人の権威の下で無意味な仕事と思っていても、それに服従することは、より良い人にする道徳的な規律であるという考えはピューリタニズムの現代的な変形
無意味だと思う仕事に毎日就くことは落ち込む
四章 精神的暴力について
ブルシットジョブをしている人は一様に惨めではないし、ブルシットジョブにに満足している労働者もいる
政府の雇用の尊重は馬鹿げたショーになり、誰もが代理教員(アメリカ)や税務官(フランス)はブルシットジョブであることを知っている
また中流階級の人々が仕事に多くの時間を費やしているため、外での社会的つながりはほとんどない
英国の労働者の37%が自分の仕事は役に立たないと感じている
キャビンアテンダントのような仕事でさえmake-believe(ごっこ)と感じられている
州の臨時雇用者として雇われたが、任務は割り当てられていないため、ウィキペディアのページの編集に費やすような仕事
何千ものファイルに手動でラベルを付け直すような法務の仕事
毎月1〜2回、何かがうまくいかないときのためにそこにいるような仕事だとチームマネージャーは状況を把握していても、放っておかれる
怠惰を処理できなくて悩む労働
権限がなく、何も制御できないプロジェクトマネージャーという役割
実際には課題を提示されていないという事実に立ち向かうという課題
こうしたことに悩むのは、思春期に片思いの対象となっていた人が罪悪感と混乱に苦しむことに似ている
プログラマーなのに義務がスタッフのために夕食を注文する仕事だったが、プログラマーたちは、好きなことをする自由があるので無能なプロデューサーを持つことを楽しむ
スキャン不良を訂正するためのデータ・パーフェクター
デジタル広告のデザイナーは複雑すぎるストーリーボードが要求され、実際に効果がそれに対応せざるを得ない
無意味な仕事は周囲の緊張のレベルを高め激怒させる
すでに修正されている問題を修正するように指示することで実際に何も達成されないような仕事をしている上司は、部下を精神疾患に追い込む
企業全体が巨大なダクトテーピングのような仕事
自分たちが信じるゲームをプレイしているようなサディズム
独房監禁の囚人が脳に損傷をおうように、目的を奪われた労働者は精神、肉体が萎縮する
あるプログラマーは無意味な仕事によって風邪を引きやすくなり、抑鬱状態になったと日記に書いている
高級な職場でも不必要な専門家であることはそれほど充実感を与えない
中間管理職は自分の役割を仕事の士気と規律を維持することと見なしている
領事館、国連、ブレトンウッズ体制で生み出された高額で快適な雇用は何の役立つのか
右翼は産休などの新しい制度によって自分たちの権利が犯されていると感じ、左派は貧しく抑圧された人々は、自分たちが持っていないものはほとんど何でも受ける権利があると主張する
NGOの仕事も人類に何らかの利益を提供しているふりをしなければならないという悲惨さがあるだけでなく、不平等によって生じた悲惨さからヒモのように利益を得ている
公務員は自分のしている仕事がいかに役に立たないばかりか破壊的であるかを理解している
最も恐ろしいモンスターは人をモンスターに変えることであれば、無意味な仕事をしている公務員は恐ろしい
あるスキルのために雇われた労働者がそれを行使することが許可されず、自由な時間があることを発見したときには芸術などの別の方向の活動を行う
オフィスでヒマをもとあます人が増えたことがソーシャルメディアの台頭の理由
それはフィスワーカーが職場で自由に使える時間の断片で生み出した大衆文化の高まり
第5章 でたらめな仕事が急増しているのはなぜか?
第5章 でたらめな仕事が急増しているのはなぜか?
世界経済はナンセンスを生み出すための巨大なエンジンになっている
多くの人々が何もせずに給料を支払われているという事実は仮定に反している
社会主義政権が公共政策で生み出した偽の仕事、ヨーロッパなどの社会民主主義による公共部門の請負などは90年代で終わったのに
それはサービス業の雇用が伸びたから
米国の製造業の労働人口は南北戦争当時の数に戻り、雇用は外国に輸出された
サービス業ではエコノミストがFIREセクター(Finance, Insurance, Real Estate)と呼び、ロバート・テイラーが information workと呼ぶ仕事が増えている
理髪店や店員などの仕事はずっと20%程度の水準で推移していた
情報化社会の知識労働者の増加は金融資本の台頭と関係があると想定され、抽象的な金融業務にあたっていると考えられてきた
天体物理学者しか理解できない金融商品のバブルは弾けましたが、金融セクター全体が一種の詐欺かもしれません
そして部下数と同じぐらい増えたマネージャーの数の問題などは誰が誰を詐欺しているのかという疑問となる
それはホームレスの増加という問題につながっている
世界で最も裕福な国であるアメリカの子どもたちが裕福になる可能性はスウェーデンの普通の子どもよりも低い
More Jobsは、左右両派が同意できる1つの政治スローガンだからムダな仕事が生み出され続ける
既存の市場システムは、紙ベースの非効率性によって何百万もの役に立たない事務職を維持するから実は良いのかもしれない
「雇用創出」がすべてであるような政治文化がそのような結果を生み出す可能性がある
生産プロセスが複雑になって事務職が増え、政府規制により無益な官僚が増え続けている
米国の大学では授業料が高騰した中で教員は増えず、管理者が膨れあがった
米国の州の最高の公務員は州立大学のフットボールかバスケットボールのコーチ
複雑なグローバルサプライチェーンを管理していると信じている人が、実際には管理していない場合、彼らは何をしているのか
サッチャーの持家政策で誕生したPPI保険で、銀行側が不利だと感じたら支払いを停滞させていた事件があった
補償のために多額のお金が確保されるときは請求処理と分配のために官僚機構を設立しなければならない
そして請求者に保証金が届く前に多くのお金を事務作業として吸い上げる寄生虫のような企業がでてくる
これは基本的にFIRE(Finance, Insurance, Real Estate)セクターが行うこと
銀行は規制ごっこで遊ぶだけでセクター全体として付加価値をもたらしていない
しかも金融機関で働く人々の数はほとんどの大企業よりもはるかに多い
バミューダ、モーリシャス、ケイマン諸島などオフショアは賄賂が安くてすむから選ばれた
コンピュータのブロセス分析の専門家はほとんどの銀行員は自分たちがなぜそうしているのかわからないはずだという
つまり銀行員の80%は不要
古典的な資本主義の利益は生産の管理から得られるので、不必要な労働者を雇うことはない
これは正統派マルクス主義者が経済はでたらめな仕事だらけにならないと主張する理由でもあるが、実はある種の幻想にすぎないかもしれない
JPMorganでは利益の約3分の2が法廷で執行可能な借金などの賠償で得ている
GMもクルマの販売ではなく自動車ローンの利子で稼いでいる
管理者などの「効率の専門家」に権限を与えることで生産者の自律性はほぼゼロになっている
労働者自身が可能な限り効率を高めた生産性の向上は管理者など事務員の雇用に向けられ、彼らは工場移転を提案する
1945年から1975年まで労働者の生産性の向上は労災補償の増加と一致し、それは「Keynesian bargain ケインズによる掘り出し物の成果」と呼ばれた
しかし、70年代以降、生産性の向上は最も裕福な1パーセントの財産を膨らませることになった
こうした組織の重層化は中世の封建権力と似ている
芸術の世界でもキュレーターが台頭してきて、芸術家そのものと肩を並べている
ハリウッドでもメールを書いたりパワーランチをとったりすることが仕事の人間が多くなった
プロセスに時間がかかるほど実際の仕事をしている人に届く前にカネが吸い上げられる
プロセスに時間がかかるほど実際の仕事をしている人に届く前にカネが吸い上げられる
実はオバマケアも不必要な管理職と管理職が無限に発生している
金融セクターと行政が企業トップになりはじめたのは70年代からで、彼らが解雇した従業員の数を誇りにすると、労働者は忠誠心をなくし、それが管理者を増やしたが、まだコンピューターが導入されていたのは銀行だけ
Bullshit Jobが大量に生み出されるのはスミス、マルクスやフリードマンまでが考えていた資本主義とは違う
第6章
なぜ私たちは社会全体として無意味な雇用の成長に反対しないのか?
労働時間の大幅な削減はおそらく地球を救うために実行できる最も迅速で簡単なことなのに、実際に行われていることはすべての人がより多く働くこと
アダム・スミスは道徳哲学の教授で、道徳哲学はもともと神学の一分野だったので勤勉が賞賛される
そして私たちの社会は仕事の社会的価値が高いと経済的価値が反比例して報酬は低くなる
年老いた親戚を訪問はる価値は「ニーズ」という言葉からは計れない
価値のある仕事はニーズを満たすが、200ドルの超高級靴下や、逆にピエロの鼻のような使えば捨てられるノベルティに意味はあるのか?
労働価値説に問題はないのか?SNSをやっているだけの人に4万ドル払う労働市場は機能しているのか?
パンと水しか与えられない囚人が自分の財産をゆで卵と交換することは自由な選択か?
市場は物事を過小評価あるいは過大評価する可能性があるが、マルクス主義者はBullshit Jobについて私が話しをすると猛然と反論してくる
しかしマルクスの「資本主義」は工場生産に関する抽象的なアイデアで、オフィスの世界はそれよりも複雑
さらに「価値」は他の商品と比較できない価値があり、ユニークで交換不可能なのかもしれない
人生は経済と政治、宗教、家族などとの間で分割されていない
貨幣は見知らぬ人が物質的な利点を目的としてのみ対話できる市場を作り出すことを可能にした
現代では他人を助け利益をもたらし社会的価値が高い仕事ほど支払いは低くなった
看護師、ごみ収集員、整備士く、バスの運転手、食料品店の労働者、消防士、シェフ、小学校の先生がいなくなったら大変だ
ファンドマネジャーがいなくなっても世界は困らないが、彼らは最も高い給与を得ている
ベルギーでは内閣不在が長いが深刻な影響はなく、1970年代にアイルランドで銀行員がストを半年行ったが影響がなかった
しかし、ニューヨークでごみ収集業者が10日間ストライキを行っただけで都市機能はマヒした
費用の社会的利益への波及効果に関する論文では、医療研究者の価値が9倍と最も高く、金融セクターで働く人々はマイナスと最も低かった。また、学校の先生の給与は低い。
•研究者+9
•学校の先生+1
•エンジニア+0.2
•コンサルタントとITプロフェッショナル0
•弁護士–0.2
•広告主とマーケティングの専門家–0.3
•マネージャー–0.8
•金融セクター–1.5
英国の社会的投資収益率分析でも、シティの銀行員は給与1ポンドごとに社会的価値を7ポンド破壊するが、病院の清掃員、リサイクル労働者、保育士は社会的価値を多く生み出すものの給与は低い
米国の博士たちはフードスタンプが必要な非常勤の教育の仕事で生活している
社会に利益をもたらす人々にあまりお金を払われていないのは平等主義の倒錯
逆にお金のためだけに無意味な仕事をしている人々は、そのために賃金面で報われるべきなのかもしれない
左右両派とも無職は悪で、公の救済に値しない軽蔑的な寄生虫とみるというコンセンサスがある
イギリス王室は儀式に追われ私生活を送る時間がほとんどない
(感想)
少し前英国で出勤する看護師を拍手で送りだすことやってたけど、実は緊縮財政で看護師、バスの運転手、消防士、救急医療担当者などの公務員に賃金削減が行われ、チャリティフードバンクで生活している看護師が出るようになった、と
そんな中で命懸けの仕事をさせられていた感じだったのかな…
株が人気投票だと言われているように、職業も人気投票なのかな…

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