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May 11, 2020

『「ファインマン物理学」を読む 電磁気学を中心として』竹内薫、講談社

Feynman

 これは二重に差し立てていた本棚に埋もれていた本。

 リフォームにあわせてリビングなどに乱立させていた本棚から5000冊を処分し、書斎に3000冊だけ入れるという作業をまだ細々と整理しているんですが、その中で、発掘した本です。

 奥付をみると04年10月の初版。割と話題になった本だから、買ってみたのかな(忘れた)。このシリーズの最初は「量子力学と相対性理論を中心として」で、二冊目がこれ、一番面白いと言われている「力学と熱力学を中心として」が三冊目という順番だったハズなので、健気にも「なんかとっかかりはあるんじゃないか」ということで手を伸ばしたのかな、と。で、コロナ禍の最中にちょうどいいんじゃないかということで、読んでみました。ええ、アホな文系脳ですから数式などわからないことだらけですが、「こんな考え方があるんだ」とか「こうして類推していったのか」と驚きあきれるというのは少なくともあって(勘違いかもしれないけど)、面白かった。

例えば、いきなり

前提1 電流だけが存在するところには、磁場だけが存在する
前提2 電荷だけが存在するところには、電場だけが存在する

というのにまず驚きました。

 コイルに電流が流れる時は動いている電荷だけしかないので磁場だけが存在する=「電荷と一緒に動く人が見ると、電荷は静止して見える」のが重要なポイントだ、と(p.40)。《電磁場は「モノ」(=実体)ではない。電磁場は「コト」(=現象)なのである》、と(p.64)。また《人類は、最初に時間変動が少ない電磁現象に気がついたために、長い間、電場と磁場を別々の現象と考えてきた。そのため、この2つが(本当は)切り離せない関係にあるなどとは、思いも寄らなかったのである》、と(p.78)。

 次に重力の問題。重力の難しい問題のひとつは、球状物質が球面外につくる引力はすべての物質が中心に集まるとしたときの力と同じことの証明で、ニュートンもこれに確信を持てなかったので重力理論を長く発表しなかった、というあたりからの展開も知らないことばかり。

 量子力学では電子は粒子であると同時に波動でもあるということは本で読んでいましたが、波動関数の二乗が「電子がそこにある確率」を表すのか、と(p.118)。あと、コンデンサーの中の電子は電場によって押されのであり、この電場ははるか遠くのどこかにある電場から得たものなのか、とか(p.130)。

 なぜ光は横波なのか、というのも面白かった。なぜなら、光は電磁波の一種であり、電磁波は常に一定速度(=光速)で進むから、縦方向の振動である縦波は原理的にありえない、と(p.139)。

 また、ニュートンの逆2乗則(物理量の大きさがその発生源からの距離の2乗に反比例するという法則)は、点電荷には大きさがないからR=0としなければならないが、それだと無限大になってしまうという問題があるというのもなるほどな、と。だから「くりこみ理論」が必要なんだな、という流れ(流れだけは理解できましたw。また、くりこみ理論は重力理論には使えないそうです。理解はまったくできませんが、凄いな、と)。

 フェルマーの定理(光は必ず最短距離をとる)も、量子はあるゆる可能な径路を試してから最短距離を通っているとか、どんだけ凄いのかな、と(p.157)。

 そして、そうなるとあらゆる電子が同じ電荷と質量を持っているのは、すべての電子が同じひとつの電子
すぎない、という考え方を披露する同僚にインスパイアされたとか、聞いてるだけでワクワクさせられました(p.165)。

 「力学と熱力学を中心として」も読んでみようかな…。

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