『小数と対数の発見』山本義隆、日本評論社
正直、対数については、大航海時代に需要のあったサインやコサインのかけ算と割り算が面倒で、ネイピアが三角法の式を利用して積を和に直す方法を考えだしたあたりから発達した…ぐらいの理解が精いっぱいなのですが、前半の10進小数が以外と新しく、今は当り前に使っている小数が長い年月をかけ、多くの先人によって発明、改良されて来たという事実は衝撃的でした。
小数点(.)を使う表記はネイピアが対数を生み出す過程で考え出した副産物で、普及していった、というのが全体の流れでしょうか。
科学史三部作の掉尾を飾る『世界の見方の転換』では古代天文学の精緻さに驚いたのですが、それを打ち破るためには数学の転換が必用だったという流れで予告されていた本でしたが、文系のぼくにはムズカシ的すぎて無理かも…と思って購入していませんでした。でも、kindle unlimitedに無料枠で収録され、しかもiPadに最適化されていたので、なんとか最後まで読むことができました(理解したとは言いませんが)。
理系の方々のように内容の説明は遠慮させていただきますが、文系的に面白かったところを、箇条書き的に。
古代から中世にかけて、言葉だけの定性的なアリストテレス的宇宙論が、定量的測定によって判断されるプトレマイオス的宇宙論より優れているとみなされていたのは、それが全体を説明できるパラダイムだったからなのかな、とか。結局、多くの理系の方もパラダイムに沿ってしか考えられないわけだし(p.6)。
で、イデア論で特別な地位を与えられていた「1」について、ステヴィンの「1は数である(L'UNITE EST NUMBER)」という主張は、プラトン流のイデア論を粉砕した、みたいな(p.79)
ヴェーバーのプロ倫では、プロテスタントに資本主義の精神が宿ったとしているけど、合理的な判断力の基礎となる数学は、宗教改革の両派とも盛んになっていた、と(p.101)。
「悪貨は良貨を駆逐する」のグレシャムが遺産でつくったカレッジでは、常用対数を誕生させたブリッグスは初代幾何学教授。当時、オックスブリッジでは数学、自然科学、技術は重視されていなかった、と。
『科学革命の先駆者シモン・ステヴィン―不思議にして不思議にあらず (科学史ライブラリー)』ヨーゼフ・T. デヴレーゼなど著、山本義隆約、朝倉書店も理解できるかわかりませんが、読みたい本がなくなったら読んでみようかな、と。
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