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July 05, 2018

『文選 一』

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『文選 一』岩波文庫川合康三、富永一登、釜谷武志、和田英信その他

 読み飛ばした『文選 一』を旅行の最中に読み直していました。

 永井荷風が一時期、文選だけを読みながら日を送っていたらしいのですが、収められた透明な詩を読んでいると、こういうのしか受付られなかったような時期もあったのかな、と。

 もっとも荷風はおそらく白文で読んでたんでしょうけど、学のない小生は解説に助けられてます。さらに川合先生の解説も素晴らしい。「文選という書物」「早秋編纂の典範」「文選の尊重と浸透」「編纂の時期と同時期の書物」「編者昭明太子」「文選の体裁」「文学の範囲」「作品選択の基準」「文選の詩の分類」「文選詩の作者たち」「受容の変化」という11項目について41頁にわたって解説してくれています。

 強調されているのは、当時の詩が《他者との関係性を持つ開かれた場で書かれ、社会性をもっていたこと》(p.394)、曹丕の建てた魏王朝から司馬氏が晋を建国したものの、北方民族によって崩壊し、東晋から南宋に変わった時代を背景にしていたこと。詩人は曹丕、曹植から阮籍、嵆康、謝霊運などに移るが、孤高の陶淵明は特異な存在だったこと。

 こうした背景を読み込むと、社会性ということの逆のパターンになるのかもしれませんが、魏から帝位を簒奪した晋を褒めまくっている陸機、陸雲の兄弟が共に司馬えいに殺されるのは哀れな感じも受けます。

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