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January 17, 2018

『ポーの一族』花組公演

Poe_clan
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 前日のANAインターナショナルでのお茶会からの帰りは11時を過ぎていたけど、4:50に目覚ましをかけて起床。身支度を調えて6時発のエアポート急行で羽田へ。
 伊丹から宝塚大劇場に着いたのは9:45。その時点で見た目150人超が当日券めあてに並んでました。
 貸切だったソワレの公演も、もしかしたら当日券が出るかもしれないと思って朝早い全日空にしたのに、係員に聞くと「当日券は出ない貸切」ということだったので離脱。その後も列はどんどん伸び、行列の長さは個人的にこれまで一番だった『黒豹の如く』を超えていたかも。立ち見は三列。250人近くが立見っぽい。
 土日に貸切多く入れるのは営業施策として仕方ないけど、ダブル予定の遠征組のためにも当日券も売るのを入れて欲しい。
 やることがなくなったのでル・マンでモーニング。
 11:00から初『ポーの一族』。
 良いわ…
 原作は一族の歴史を前後させながら描いているので、年代はバラバラになっているけど、その時系列を整理していて、ぼくみたいに何回も読み返して記憶してない原作ファンにも優しいつくり。
 時系列で描かれているからエドガーの孤独が原作より良く分かるし、アランとの出会いも必然に感じる。潤色の小池修一郎先生凄い…。
 上演時間二時間半という制約の中で、よくエピソードを整理してまとめ、しかも美しいフィナーレもつけたな、と。
 明日海りおエドガーと柚香光(ゆずか・れい)アランじゃなければここまで美しく仕上がらなかったろうし。BL的な要素が強く、我の強いトップ娘役だと不満を示しそうな作品だけど、苦労人である仙名彩世さんがエドガー母に回って脇を締めているという奇跡的なメンバーが揃っていたから可能な舞台。
 今後、みりお・れいのようなフェアリータイプの美少年が演じられるような二人が揃わない限り、再演は難しいかも。
 『ポーの一族』は音楽も良かった。
 レチタティーヴォをわざとつかってみたり、ラップ調の曲もあったり。劇団付の太田健さん凄い。
 歌詞は萩尾望都さんの原作に載っている詩のようなト書きに小池修一郎先生が補って歌にしている感じ。
 夜は宝塚ホテルでお茶会。

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 昨日はルマンのサンドイッチでモーニングをいただき、『ポーの一族』で感動し、パスタで豚高菜ピラフをビールで流し込み、若水の温泉に入ってひと休みした後、タカホでお茶会に出て、馴染みの店で一杯呑んで戻り、もう一回温泉に入って、タカラヅカ・スカイ・ステージを見ながらボーッとする朝。
 日本のサブカルの金字塔的作品である『ポーの一族』が、こんな完璧に3D化されたのに、観られる=チケットをなんとかできるのは、ヅカヲタだけというのは厳しいかな、と感じる。
 昨日のお茶会で「原作読まれた方ことのある方」と問われて手を挙げたファンは極一部で、宝塚ファンが『ポーの一族』という出し物を見に来ている、という感じなんだろうな、と。
 千秋楽はいつものように、全国の映画館でライブビューイングをやるので多くの方に見てもらえれば、と願わざるを得ない。
 しかし、原作を読んでじっくり観るより、与えられた美しさをそのまま感じて息を飲んでいる方が多い宝塚ファンが、結果的に舞台を100年間支えて、まがりなりにもミュージカルを日本に定着させたわけだし。
 逆説的にいえば「ジャンルを殺すのは(小煩いわりにはそれに見合ったカネを出さない)マニア」というがよく分かる感じ。
 たとえばみりおエドガーがアランに「ぼくたちの部屋に来ない」って言う場面。
 会場全体が息を飲んだのがわかった。
 今日の大劇場も『ポーの一族』で空気の奪い合いに。
 2回目を見て、宝塚のマンガ舞台化ものは多くの映画化作品とは違い原作を○イプしていないと改めて感じる。
 忠実に再現しようとして、しかも二時間半の中に収め、観客を3Dで圧倒するだけ。
 その「忠実に再現するだけ」のために、豪華な舞台衣装、セット、80人もの出演者で空間を埋め、視覚で圧倒する。
 それは人形浄瑠璃を役者が演じた歌舞伎と似ている。
 人形浄瑠璃の人形は3Dではなく2D。なぜなら、後ろ姿をみせようとすると、遣い手が人形の前に来ざるをえず、その瞬間にファンタジーが壊れるから。
 舞台役者は背中が命と言われるが、背中でも語れるのが3Dの説得力。
 にしてもみりおのエドガー、れいちゃんのアランは原作から魂とともに抜け出てきたような印象。
 エドガーは原作より気性が荒い感じにつくってる。シーラが自ら一族になったという小さな変更を加えたことで、妹のメリーベルを救うためにエドガーは止むを得ずバンパネラになった悔しさが浮き立つ感じ。
 それにしても前の方で観ていると、みりおバンパネラにエナジーを吸われたくなる。キングポーはお断りだけどw
 それにしても日本映画のマンガ実写化ものの原作リスペクトのなさ、カネのなさを補おうとすると浅知恵の惨めさと宝塚の原作を忠実に再現しようとする姿勢は180度違うわな…。
 それにしても見終わった後の劇場全体のため息の大きさは、エリザベート並み。
 馴染みの鮨屋でてっさをいただきながら2回目の舞台を反芻。

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 みりおの代表作はこれまで『春の雪』の清顕だったけど、『ポーの一族』は多分、誰も真似出来ない代表作になったな。
 それにしても、江戸時代の人形浄瑠璃と歌舞伎の関係は、今のマンガと宝塚になるかもしれない。
 村上隆が3D化すると説得力が違うと言ってたけど、ホント。
 昨日、みりおがセリフを言って下手に去る瞬間、エドガーがいる、と感じた。
 『ポーの一族』ダブルという荒業にそなえ、温泉で身体をほぐしてから大劇場へ。こんな平日なのに、立見席を求める列が長く伸びていて驚く。
 今日からみりおの開幕アナウンスからあけおめがなくなった。
 華メリーベルはやっぱり褒めない訳にはいかない。演技の化け物系娘役に育つかも。お化粧もんまいし。
 予科生の時から気になってた鈴美椰なつ紀さんも大劇場で初台詞貰っていたし、良い公演!
 あきらのポーツネル男爵も良かった。
 パスタでランチのあと、2公演目に。
 『ポーの一族』は平日ニ公演でもそれぞれ100人ぐらい立見が出ている。
 傑作の予感しかなかったけど、東宝でもえげつなくチケット取っておいて良かった。
 銀橋での印象的な芝居が多く、前の方の席はみりお、れいの美しさを堪能できる。
 銀橋の去り際が本当に美しいので、5列目ぐらいから内の上手は最高かも。
 高低差を活かしたセット、盆をぶん回す小池流演出もあって、高い所の芝居が多いのも特徴。
 みりおはベルばら、エリザに続いてクレーン乗りもこなす。浮遊感がたまんない。
 ということで金曜日からの5日間で観劇6回、お茶会2回、遠征1回の予定を完了。
 幸せ。

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