中村芝雀改め五代目中村雀右衛門襲名披露「三月大歌舞伎」
芝雀さんの雀右衛門襲名披露興業を見物しにいきました。
雀右衛門は関西歌舞伎の大名跡ではありますが、入りは少し心配していたんです。
でも、芝雀改め五代目中村雀右衛門さんはなかなか綺麗な方なので人気があるんでしょうね、まあまあ入っていたのでよかったです。
父親で先代の雀右衛門さんは戦争で苦労しましたが、三代目の長男(中村景章)が戦死したことから、養子として四代目を襲名したしたという経緯があります。
戦死した景章さんは五代目中村芝雀を追贈されたんですが、六代目芝雀は後に四代目時蔵となって早死にし、五代目中村雀右衛門を襲名した芝雀さんは七代目という複雑な歴史があります。
それでも、父親が1964年に四代目襲名披露で演じた『祇園祭礼信仰記・金閣寺』の雪姫で襲名披露興業を打つんですから健気なものです。
元は文楽の雪姫は「三姫」の中で一番好き。手を縛られた中、父・雪舟譲りの筆力で鼠を桜の花びらで描くという、なんともエロチックな場面が見せ場です。
これを見物できたから、ま、いいかな、と。
にしても、先代の雀右衛門さんも口上に連なっていた錦之助襲名披露で『双蝶々曲輪日記 角力場』が上演された時、濡髪は富十郎さんだったんだよな、なんて休演していた菊五郎の代わりに二役を熱演していた菊之助を見ていました。
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