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December 02, 2015

『銀二貫』と『舞音/GOLDEN JAZZ』

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 先週末、朝イチの全日空で伊丹から宝塚入りして、久々に宝塚で『銀二貫』と『舞音/GOLDEN JAZZ』を見物してきました。

 持っていたチケットは土曜日の午前中の1枚。これはバウホールという500人程度が入る小劇場(もちろん宝塚歌劇専用)で、午後の大劇場(2500人収容)のチケットは当日券で入ればいいやと思っていたんですが、なんと当日券の発売はなし。貸切でも当日券が出る場合の方が多いのですが、この日は大和証券グループのお客さま招待で、まったくゼロ。まいりました。

 実は、この時点で宿も取れていなくて、最悪、午前中の小劇場公演だけ見て帰るしかないかな、と覚悟していました。京都の琳派展も前の週で終わっていて、つくづくついてないな、と思っていたのですが、2時に終了した時点でホテルから連絡があってキャンセルが出たとのこと。これなら、土曜日はゆっくり有馬温泉に浸かって、日曜日は大劇場の『舞音/GOLDEN JAZZ』をダブルで観て帰れると小躍りしました。

 バウホール公演は、雪組のホープ、月城かなとさんが初主演をつとめる時代劇『銀二貫』。父が敵討ちで討たれた武士の子どもが丁稚として拾われて生きていく、という話し。曾根崎心中でも銀二貫は徳兵衛がお初と心中せざるを得なくなるほどの金額。大阪の基軸通貨は銀ですが、江戸の基軸通貨である金に直すとたしか33両。なるほど、芝浜の勝五郎が42両で一生暮らせると思うったのも無理はない金額なんだな、とか思いながら観ていました。主人公が丁稚奉公するのは寒天問屋の「井川屋」という設定でしたが、曽根崎心中の徳兵衛の叔父も井川だったな、みたいな。こうした細かいところの貸し借りが大切ですよね。

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 幕間では東京のヅカ友3人と偶然出会い、そのうち一人がつくってきてくれた『銀二貫』でも劇中で重要な役割を果たす琥珀寒という寒天を使った料理を食べさせてくれて感激でした。いいですよね、こういうの…。ありがたいです。なんでも高田郁さんの原作を読んで、そこに載っていたレシピ通りつくったとのこと。ぼくは、こういうのが教養だと思います。

 チケットが最終的に出ないことを確認したあと、旧音楽学校をつかったミュージーアムに。この展示で、新公の衣装は舞台稽古の時に調整して、すぐに本公演に戻して、翌日、さらに新公用に直して、またすぐに本公演に戻すというのを初めて知って、お衣装部の方々のお仕事に唖然としました。まだまだ知らないことばかりだな…。

 大劇場作品の『舞音』でも知り合いの方の妹さんがアオザイのデザインを担当されたそうですが、世界観を補完する素晴らしい出来でした。宝塚は衣装が本当に重要なんだな、と。Kyokoさんの妹さんはベトナム在住、音楽を担当された方はNY在住の韓国籍の方だそうで、宝塚は世界中から才能を集めているんだな、と。

 有馬の湯でも治せない恋煩いをしているわけではないので、日頃の疲れを「銀湯」がとってくれます。鮨屋で昼酒を飲んで乗り込んだ有馬ですが、飲み直しを間に挟んでの2回の入浴で10時間近くぐっすり眠ることができました。宝塚からはタクシーあるいはバスでも30分という近さにこれだけの温泉があるというのは素晴らしいな、と感じます。

 ということで日曜日に見物したのは『マノン・レスコー』の舞台を仏領インドシナに移した『舞音』とショー『Golden Jazz』。

 『マノン・レスコー』はファム・ファタール(男たちを破滅させる女)ものの最初の作品と言われますが、こうした作品を映像化する時、必ずつきまとうのがヒロインへの幻滅。

 例えば『初恋』のドミニク・サンダ、ちょっと変形のファム・ファタールものですが、『グレート・ギャッツビー』のミア・ファロー、キャリー・マリガンでも「はたして恋に狂って破滅するかな…」と正直思わされました。『情婦マノン』もアンリ=ジョルジュ・クルーゾーの映像美でもっているような作品でしたし。

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 だから『舞音』でも心配したんですが、愛希れいかさんのマノンは舞台、映像作品のファム・ファタール役の中でも最優秀の部類ではないでしょうか。

 舞台を東洋に移して黒髪を強調した演出が素晴らしい。最初はアオザイで身体を隠しているんですが、次のベッドシーンでは、スミレ・コードぎりぎりみたいな感じでお腹をみせている。トップの龍真咲さんにとっても代表作じゃないでしょうかね。

 ということで、悲劇を堪能した後はショー『Golden Jazz』。

 客席参加型の演出ということで、宝塚専門のグッズ販売店キャトル・レーブでは『Golden Jazz』用の小さなタンバリンを売りに出して、専門チャンネル『宝塚スカイ・ステージ』でも振り付けを何回も放映しています。しかし、肝心のタンバリンが売り切れ…。

 夏場の龍真咲さんのコンサートでも初日にグッズが売り切れたんですが「今回はさすがに大劇場公演だから大丈夫だろう」とタカをくくっていたら、2日目に売り切れて、再入荷されてもその日に完売。次は宝塚大劇場の千秋楽じゃないと入荷しないという…。

 代わりに代替品として売っていたのが、いかにもオモチャ然としたタンバリン。それしかないんだったら仕方ないということで購入したんですが、なんつうか出そうか出すまいか悩みましたよ。でも、周りがどんどんタンバリン出し始めたのを音で聞いたら躊躇なく出せて、公演中も踊りまくり&音出しまくりでした。ちなみに、今回、座った席は2回とも当日券の補助席。ソワレは一階下手、マチネは二階上手からダブルで見物したんですが、どちらも補助席ということで、さすがに途中でお尻が痛くなりました。まあ、もう二度とこんなことはしないと思いますw

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