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December 20, 2014

『子どもたちに語るヨーロッパ史』

Europe_for_child

『子どもたちに語るヨーロッパ史』ジャック・ル=ゴフ、ちくま学芸文庫

 自分用のメモということで、そろそろこの1年で読んだ本をまとめないと…と思っているうちに忘れていたのを思い出しました。

 これはル=ゴフ先生がヨーロッパ史と中世史という壮大な物語を子どもに語るという本。

 思い切って略しているから、スペインのムスリムがイベリアを去ると、トルコ人がビザンツに到来したとか、十字軍的熱狂がヨーロッパ社会で共存していたユダヤ人に対する迫害を生んだなどの巨視的な関連性や、十字軍がヨーロッパにもたらしたものアンズだけとかイタリアとドイツという国はフランス、イギリスと比べて安定性と一貫性に欠ける若い国だなどと大胆に語っているのが新鮮。

 《民族的純血などという主張は不毛でありー混血するのが人間社会のさだめですから、本来、存在しないものなのですー自分たちの特性に閉じこもるものです。混血から生じた民族は反対に、文明や制度の面から見てより豊かでたくさんのものを生み出します》(p.53)

 《フランス革命によって《ヨーロッパ人は革命と反対者に二分されました。新たにヨーロッパに生じたこの亀裂は長いあいだ続き、革命と反革命、進歩主義者と反動主義者が対立してきました。ヨーロッパはいまもなお、左翼と右翼の対立を抱えています》(p.98)

 《ナショナリズムは公正な面よりも悪しき面のほうが強いことが多いのです》(p.134)なんてあたりも印象的でしたかね。

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