« 『心中・恋の大和路』と増村版『曽根崎心中』 | Main | 文楽『女殺油地獄』『鳴響安宅新関』 »

April 28, 2014

『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』

1f

『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記(1)』竜田一人、モーニングKC

 花粉症でなかなか読書が進みません。といいますか、最近はエンタメ系以外、文系の本をあまり読む気がなくなっています。所詮、人文系の本は「本は本から生まれる」という感じしかしなくなっているというか…。

 ということですが、新人賞MANGA OPENの大賞受賞作として「モーニング」に掲載された時には買いましたが、その後、連載されているとは知りませんでした。

 福島第一原発の苛酷な作業実態と、それでも、「いつかここを元に戻す」ために奮闘する様々な労働者の実態を、自身の体験を元にウルトラリアリズムで描いた作品。

 しっかりと基準値を守り、対策をうっていれば、怖がる必要はないし、目の前に立ちはだかる廃墟は大きいけれど、それを一つずつ、ネジを一本つず外していけば、いつかは克服できるんだ、という地元出身の現場リーダーの言葉は重いと思います。

 それにしても怒髪天を突くのは東電の対応。こうして頑張る労働者の労働環境をもっと改善してほしい。発電所内なのにディーゼル発電機で電気をつくって、それで休憩所のクーラーや冷蔵庫回しているというのはブラックジョークすぎ。一番辛い労働は、無意味としか思えないディーゼル発電機用の燃料を入れる作業だというんですからシジフォスの神話か!と。

 0.01%の確率で電気業界とのタイアップということも考えられるかもしれませんが、それは原発リスクと同じこと。

 作中でも描かれている原発を無意味に怖がり、脊髄反射で反対する人たちの姿に吉本隆明さんの遺言のようなインタビューの『「反原発」で猿になる!』というタイトルを思い出しました…。

 あと、マンガはkindleで買うのに限りますよ。かさばらないし、すぐに読めるし。

|

« 『心中・恋の大和路』と増村版『曽根崎心中』 | Main | 文楽『女殺油地獄』『鳴響安宅新関』 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23829/59546136

Listed below are links to weblogs that reference 『いちえふ 福島第一原子力発電所労働記』:

« 『心中・恋の大和路』と増村版『曽根崎心中』 | Main | 文楽『女殺油地獄』『鳴響安宅新関』 »