『翼ある人びと』
『翼ある人びと ブラームスとクララ・シューマン』宙組、[作・演出]上田久美子、[出演]朝夏まなと、伶美うらら、日本青年館
まあ、宝塚をこのところ見ているんですが、『翼ある人びと ブラームスとクララ・シューマン』も良かったな、と。
ブラームスがシューマン、クララ・シューマンと出会い、シューマンが病魔に冒されていく中で音楽家として成功する姿を、ショパン、ワーグナーなどとともに描いていきます。
なんていいますかねぇ…ぼくに娘がいたとしたら、こういう作品を見せてあげたいというか、良家の子女に相応しい作品でした。
宝塚的な文法を理解していないとちょっと笑っちゃうところもないことはないんですが(例えば、リストが超絶技巧のピアノ演奏を披露しながら踊りに入るシーンとか)、それでも、全体に破綻などはなく、ブラームスの交響曲第三番の第三楽章の有名なメロディに載せて、古典派を超えていこうとするロマン派の作曲家たちの群像劇となっていました。
主演の朝夏まなとさんも素晴らしかったのですが、クララ・シューマンを演じる伶美うららさんが上品でした。
100マルク紙幣にもなっていたドイツの誇りともいえる女性を見事に演じていました。
伶美うららさんは池田泉州銀行イメージガールにもなっています。
なんでも阪急電鉄や宝塚歌劇団の阪急東宝グループの創設者である小林一三翁が、旧池田銀行の相談役であったという縁もあり、1968年から宝塚歌劇団からイメージガールを起用してきたそうで、なんつうかジューン・アリソンみたいな本格的な女優を目指してもらいたいといいますか、その手始めに宝塚の娘役としてトップになって欲しいな、と思います。
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