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March 07, 2014

染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)

Bunraku1402

 先日、文楽を聞きに国立劇場へ。演目は染模様妹背門松(そめもよういもせのかどまつ)。お染久松の心中物。作者は母親が自分の子どもに恋して狂うという現代劇みたいな摂州合邦辻(せっしゅうがっぽうつじ)も書いた菅専助(すがせんすけ)。ちなみに摂州合邦辻の息子に狂う玉手御前は、ぼくの永遠のDIVA歌右衛門さんで一番好きな役。ま、そんなことはおいといて…。

 お染久松の心中物は歌舞伎では「お染の七役」となって、お染の早変わりが見所になるという変化を遂げますが、これは役者中心の歌舞伎という演劇では仕方ないこと。

 文楽の場合は、太夫がじっくりと複雑な物語を語っていきます。

 しかも、悲劇なのに第1幕の「油店の段」は喜劇なんですよね。話しが複雑すぎて、本当に内容を知りたい方は床本やその解説をご覧になっていただきたいんですが、憎めない悪役(チャリ)の2人がエアギターならぬ、箒をエア三味線につかって義太夫語りで久松を陥れようとすするあたりなんぞは、なかなかの工夫。ぼくたちのお爺ちゃんたちは、なんて高度な文化をつくっていたんだろう…と呆れてしまうほど。それを咲大夫さんが「今でしょ」「じぇじぇじぇ」なども入れながら唸りまくり、語りまくる。

 こんな高度な文化は大阪の誇り以外何ものでもないのに、それを干そうとする為政者はなんなんでしょうね…。

 第2幕では「生玉の段」「質店の段」「蔵前の段」が続けて上映されますが、地味な「質店の段」については、ぼくが書くよりも読売新聞の記事をご覧になってください

 にしても、お染久松を見物した帰り、「泣くは難波の河千鳥、浮名を流す追善と哀れを残す角屋敷、尽きせぬ筆に伝えけり」なんて唸りながら半蔵門に向かっていると、いい歳したおばちゃんたちが「なんで心中するのあの二人」「親もバカよね、死なれるんだったら一緒にさせてあげりゃいいじゃない」「だいたい2人も死なずに逃げりゃいいのよ」などと身も蓋もない感想を語り合うのを聞かされました。

 心底情けない…と思うと同時に、いまは原作を変えて、逃げ出すラストでの上演が多くなっている訳が合点できましたw

 先月は第1部が「七福神宝の入舩いりふね」「近頃河原の達引たてひき」、第3部は「御所桜堀川夜討ようち」「本朝廿四にじゅうし孝」を上演していましたが、二部を聞いてよかってた、みたいな。

 その後、坂本龍一さん「スコラ」の録画で義太夫語りを中心にやった回を見ました。フレットを持たない三味線に備えられたサワリはディストーション、リバーブを生んで、弾き手はフシ落チの手でテンポを変え、義太夫語りが不即不離(つかずはなれず)のヘテロフォニーによって、なんとも複雑な節をつける、と。

 出演していた義太夫語りは、「染模様妹背門松」で聞いたばかりの竹本千歳太夫。よかったな。三味線の豊澤富助さんはルックスが好き。今度は、豊澤富助さん中心に見に行こうかなw

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