『NISAで得したいなら割安株を狙え!』
『NISAで得したいなら割安株を狙え!』前田昌孝、日本経済新聞出版社
付き合っている証券会社にはもちろん付き合いましたが、個人的にNISAに興味はありません。でも、著者の前田昌孝さんが日本経済新聞オンライン版に書いているコラム「マーケット反射鏡」は、毎週、楽しみに読んでいます。
いつも、チャートや長期変動の分析から、市場に対する面白い見方を切り取ってくれますが、見事だなと思っているのは、春先の急騰を予測したかのような《あれよあれよという間に日経平均は1万4000円台に乗せたが、この水準で落ち着くことは過去にはあまりない。戦後の1万7625営業日のうち、1万4000円台にとどまったのは236日間だけだ。1万3000円台での滞留が337日間、1万5000円台での滞留が364日間だったことと比べても、1万4000円台は影が薄い。この水準に利害関係を持つ市場参加者が少ない分、すぐに「勝負の舞台」が次の1万5000円台に移ってしまうか、1万3000円台に押し戻されるかになりやすいのだろう》という5月8日の記事。
この後、日経平均は予想通りに1万5000円台に乗せます。
その後も5.23で急落した株式市場に対しては《日経平均は円ベースで5月22日までの6カ月強で80.4%も上昇していた。これは戦後で2番目に急だった1971~72年の上昇相場を上回るペース》だったとして6月5日には《長期投資家には、ようやく買い場探しができる局面を迎えた》と書きます。
さらに年末の連騰を11月上旬の段階で予測したような「煮詰まる三角もちあい、業績支えに上放れか」(11月6日)という記事もあったりして、かなりたいしたものだと思っています。
そうした前田さんが、若い世代に対して《株式とは何か、どう銘柄を選んだらいいか、勉強するのはいいことです。そして気に入った会社の株を長く持っていただきたい。配当を受け取りながら、会社の状況の定点観測を続けることは、経済を知ることにもなります》(マーケット反射鏡)とNISAを契機に株式市場を通じて経済を勉強しよう、というのが本書。
NISAから8兆円、年金から15兆円の計23兆円が日本の株式市場に投入されるといわれてます。
ぜひ
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