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December 14, 2013

『三島由紀夫と一九七〇年』

Mishima_1970

『三島由紀夫と一九七〇年』板坂剛、鈴木邦男、鹿砦社

 ポール・シュレーダーの撮った『MISHIMA: A Life In Four Chapters』のDVDが付録で付いてるからと買いました。

 この映像作品もいいけど、三島が荷風の『四畳半襖の裏張り』みたいな感じで、雑紙「薔薇族」に寄せた美少年に見取られて切腹する体育教師という『愛の処刑』という作品を残していたというのは知らなかったし、作品自体もなかなかよかった。

 三島由紀夫は「盾の会」を維持するために、大衆誌なんかにもけっこう書いていて、そんなのを書いている間の手すさびでサッと書き上げたような感じの、力の抜けた、でも欲望に忠実な、いい作品だと思いました。

 山口瞳さんによると、こうした原稿料目的の執筆は、ホテルにこもって一気に書いてしまっていたそうで、そんなカンヅメの間、鮨屋でマグロばかりを注文する三島のことをエッセイで書いていましたけっね。そんなことも思い出しました。

 お二人の対談も「そうなのかな」と思うようなところもあるけど、読んでしまう。

 川端康成は睡眠薬中毒で晩年はまったく書けなかったらしく『眠れる美女』『山の音』は三島の代筆とか言っているのは本当なのかな。

 この本というかムックは最近知ったので買ったのですが、3.11の前だな、ということがなんか全体としてわかります。

 『愛の処刑』はこんなところとか、さすがです。

《ふつうの処刑とちがって、切腹のあとで拷問がはじまるんですよ。じわりじわりと、彼の筋肉質の身体を少しずつ刻んで行こう。その毛だらけの体をおもちゃにして、なるたけ苦痛を永がびかせて、そのときこそ、自分のものになった先生の肉体を存分にたのしませてもらいますよ。
 とうとう、最後の痙攣。ピクピクという動きがだんだん静まり、先生がガックリ息絶えたらその血みどろの唇に、永い永いキスをしてあげよう。
 先生のキリッとした男らしい死顔をいつまでも眺めていよう。死後硬直がクルマで僕も血の海ににひたって、そばでお伽をしてあげますよ。
 そして夜明けと共に、僕は用意の青酸加里を仰いで、あんたの死体の上へバッタリ倒れるんだ。世間じゃふしぎな心中だってさわぐだろう》

 創作ノートも見つかっていて、切腹する先生の名は『憂国』の武山信二と同じ名前の信二だったとか。《男色家で切腹マニアであった三島由紀夫は、そのエロティックな内面をひそかに世に残した》と書かれていますが、いい作品でした。

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