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March 23, 2013

『これが物理学だ!』

Love_physics

『これが物理学だ!』ウォルター・ルーウィン、東江一紀(訳)、文藝春秋

 ある方に薦められてNHK教育テレビで見たルーウィン教授のMIT物理学教室に感動し本も購入しました。

 門外漢が語るのも恥ずかしいのですが、文系の人間からしたら、あんなに明るい教授が、ユダヤ系ということで身内の半数をナチに殺され、自身もまだ処刑される夢を見るというのには驚きました(p.35)。

 板書の美しさも印象的ですが、これもオランダ時代に高校生に教えたことが役に立っているといいます。そして美しい物理学をあふれる情熱で伝えようという意志は70代後半になっても衰えていないのは脅威。ひとつの授業の前には、必ず2週間前からおさらいをするそうで、凄いもんです。

 それにしても、このYoutubeでエネルギー保存の法則を証明するために、自ら振り子(Pendulum)に乗って学生たちにカウントさせた時には75歳だというんですから。そしてこのYoutubeの授業では本書の第2講「物理学は測定できなければならない」ということの重要性も伝えています。必ず測定には誤差がある、と。

 この授業ではレイリー拡散の実験も行っています。タバコの煙はそのままではレイリー拡散によって青く見えますが、肺に留まって水蒸気を与えられた煙は白く、つまり空の青さと雲の白さを証明した、と。

 素人として驚かされたのがシュノーケルの長さについて講義する「人間はどこまで深く潜れるのか」。たった水面下1メートルぐらいしか潜れないそうですよ。それ以上では息が吸えない、と。だからシュノーケルは30センチしかないんですな。

 NHKの番組では「虹の彼方に 光の不思議を探る」が最高でした。これは本だけを読んでも得られない感動でしたね。虹は必ず二重で、ふたつの虹の間は暗い、なんていうのは初めて知りました。

 ご自身が研究者として一番輝いていたときの気球の話しはさすがに気合いが入っていましたね。ただし、あまりにも熱中して最初の結婚は破綻してしまったそうですが。

 とにかく、ぼくも少しは「世界が違って見える」ようになりました。

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