『球界のぶっちゃけ話』
『球界のぶっちゃけ話』愛甲猛、宝島文庫
いわゆる文庫書下ろしなんでしょうか。
二度とユニフォームは着られない覚悟で書いているとしか思えない甲子園優勝投手でロッテと中日で活躍した愛甲さんの3冊目の本。
カウント0-2(0ボール、2ストライク)で三球勝負をする時、ベテラン捕手は「次いきますよ」と審判に囁いて、ちゃんと見てもらう、ということをやるなんていうあたりはさもありなん。こうしたことをやらずに臭いコースに投げさせても、簡単にボールと判定されるため(p.35)。
また、リリーフ投手の肩が出来ない状況で投手が交代した場合、審判から「初球をボールと判定しますから、その時にクレームをつけてください。5分もあれば十分でしょう」と言うことがあるそうで、なるほどな、と(p.47)。
スクイズなど重要なサインが出された場合、打者は、そのサインを確実に受けとったということをコーチに返すため「アンサー・サイン」を出すことがあるそうで、これも知らなかったな(p.56)。
ちなみに阪神時代の星野監督は常に島野コーチがサインを出し、巨人ではここぞという時のサインは原監督が出すそうです(p.58)。
西武の西口が東京ドームでまるで勝てなかった時は、マウンドに馴れていなかったから、というあたりも面白い(p.87)。
愛甲はプリンスホテルを経由して西武に入団するというという密約を結んでいたと言われていますが、同じ逗子市内に住む、西武のドン根本睦夫氏の上司だった人物の元に足繁く通い、プリンス系のホテルでメシを喰わせてもらったあげく、10万円を渡されて「これでいいところ行ってこい」と言われていたそうで《当時は、こんなこと、当たり前だった》そうです(p.99)。
しかし、ドラフト1位で指名されたのはロッテ。入団交渉の時、横浜高校の渡辺監督は契約金と年俸を上げさせ、3年間は給料を下げないことや辞めた後の仕事も契約に盛り込んでくれたそうです(p.101-)。
愛甲ぐらいになると、高校時代からメーカーから用具の供給を受けていたそうですが「さすがに高校生なので契約金は発生しなかった」というレベルなのには恐れ入りました(p.124)。
ドライチとなると、戦力外通告して他球団で活躍されると球団フロントの立場がなくなる、ということで、巨人の場合は、辻内のトレード話を清武GMが潰したという話は生々しい(p.104)。
星野監督の交際費は5000万円という話には驚きました(p.148)。
また、選手が高級店で遊ぶ場合は、馴染みの寿司屋などにクルマで迎えに来てもらい、しかも裏口から出る、というパターンが多いとか(p.192)。
選手にとってのタニマチ遊びのゴールはCM出演というあたりも実感こもっています(p.197)。すごいタニマチになると、ゴルフコンペにプロ野球の選手10人、きれいどころ女子プロ10人を集め、お客さん20人を呼んで10パーティでラウンドする、というのも素晴らしい。
こうした「マネーボール」がらみではなく、マジメな内容も、もちろん含まれています。
門限を破る選手にはケガが多く、清原のように、遊んでばかりいる選手はケガと縁が切れなくなる、というあたりとか(p.142)。
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