« 『元素周期表で世界はすべて読み解ける』 | Main | 『中国人民解放軍の内幕』 »

November 11, 2012

『落語教育委員会』

Kitahachi_rakugo_kenkyukai

『落語教育委員会』柳家喜多八、三遊亭歌武蔵、柳家喬太郎、東京書籍

 落語の本というと談志師匠と、大昔に小さん師匠の本ぐらいしか読んでいないのですが、現役の芸人さんたちの本というのは初めて読んだかもしれません。これからは高座で噺を聴いても、本からうかがえるホンネみたいものとの距離感が楽しめるかな、と。

 三人でやっている勉強会みたいな落語教育委員会はなかなか人気らしく、興業は完売が続いているみたいです。

 特に柳家喜多八師匠のは、最近何回かおジャマしているんですが、だいたい満席。

 ただ本人は、まだまだという感じのようです。

喜多八 茶化すわけじゃないけど、俺は生きているうちに売れたい。
喬太郎 もう売れてますよ。
喜多八 いや、こんなんじゃ嫌だ。これじゃあロト6の五等が当たったみたいなもんなんだから。金額的に八十万円ぐらいかな。いや四等かな。

 というあたりはちょっとキュンときてしまいました(p.157)。

 師匠である小三治師匠も抜群に上手いと思いますが、テレビなんかに出まくったりしたわけじゃないし、喜多八師匠もジワッと面白いタイプですから、ワッと売れるというより、どんな感じを目指しているんでしょうかね。でも、「ロト6の五等」みたいな感じで売れているというのはクスッとしてしまいました。

 いま時の噺家さんの話しとして

歌武蔵 花見の時期なんかに「お邪魔します。すみません。修行中の噺家でございますんで、聞いてください」つって、祝儀もらったりなんかしてたんです。

 ってあたりは面白かったな(p.66)。

 祝儀の出し方なんかも、いろいろ考えさせられました。

 普通、夏の楽屋には麦茶ぐらいしかないらしいんですが、たまにカルピスやアイスクリームとかがあると、立て前座(楽屋で働く前座の頭)が「師匠、カルピスとアイスクリームがございますが」と聞くと、ピッと出たり、フッとポチ袋を膨らますなんていうのがカッコいいかな、とか(p.68-)。

 にしても、最近の落語会のいいのは、芸人さんと飲める「打ち上げ」がセットされているケースが少なくないってことかなと思います。いまの噺家さんは偉いといいますか、飲むことまで付き合ってくれる。

 最近のアイドルも手売りしないとCDなんか買ってもらえないような状況と似ているといいますか、でも、本業の延長線上でのギリギリのサービスって感じで有り難いです。

|

« 『元素周期表で世界はすべて読み解ける』 | Main | 『中国人民解放軍の内幕』 »

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23829/56090201

Listed below are links to weblogs that reference 『落語教育委員会』:

« 『元素周期表で世界はすべて読み解ける』 | Main | 『中国人民解放軍の内幕』 »