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April 11, 2012

『PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?』

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『PL学園OBはなぜプロ野球で成功するのか?』橋本清、新潮文庫

 巨人OBの橋本清は、なかなか評論家としても頑張っているとは思っていましたし、この本も出していたとは知っていましたが、文庫になって手にとってみて、こんなに面白いのかと感心しました。

 まず、視点が最高。しかも自身のストロングポイントを最大限に活かした本づくりしている。文章もいい。

 これによって知ったのは、PL学園はスカウト制をとっていて、毎年15人ぐらいの有望中学生が全国から集められ、全寮制の生活で徹底的に鍛えられるということ。

 驚いたのは、有力高校のスカウト合戦。桑田選手の場合、中学の先生に「桑田が入ってくれたら、野球部全員を入学させる」という条件を出した高校もあったという。そして中学2年生の桑田選手に対して「友情がないのか?」といって、この高校に行かせようとする先生がいて、そのため中学を転校したほど。

 また、立浪選手の場合、中学の監督との関係で大商大堺に行くことが八割方決まっていたそうですが、どうしてもPLで野球がしたくて、女手1人で育ててくれた母親とふたりでお願いにいかなければならなかったという。

 どうして、PLがいいかというと、同じ関西の強豪である天理と比べて、ちゃんと1年生の頃から練習させてもらえるから、ということを語っていた選手が多かったと思います。全員、全寮制の厳しい生活を語り、どんなに金を積まれても、PLの1年生の生活だけは送りたくないと語り、清原選手なども「心の傷として残っている」と言っていましたが、グラウンドの中に入れば平等に野球ができたわけです。

 桑田、清原、立浪、野村、橋本、宮本、入来、今岡、松井、サブロー、福留のようなプロの中心選手を毎年出していたよう時期と比べると、最近はロッテの今江、広島の前田健太ぐらいが目立つ程度というのは寂しいかもしれません。

 マエケンが語っているように投手と内野の連携とか、クイックモーションとか、バント処理などは鍛えられているようで、こうしたところはさすがだな、と思いましたが、もう、上下関係が厳しい3年間の寮生活を耐えようとする中学生が少なくなっているというのも低迷の原因かもしれません。

 そういった意味で「昭和な」成功の物語なのかも。

 選手の話は全部が全部、額面通りには受け取れないけど、桑田選手が少年野球を指導する時に話すという「自分の人生は、自分ががんばるしかないんだから。人生では『代打、お父さん』とか無理だからね。自分で打つしかないし、自分でマウンドに立って投げるしかない、打球が飛んできたら自分で獲るしかない」という言葉と、「試合中は技術を磨きようがないんだから、今の自分の力にプラスアルファできるものと言ったら気持ちだけ。根性とは、そういう場面で使う」という言葉は印象でした。

「失敗はない。経験は必ず後から生きてくる」桑田真澄
「自分の“姿勢”を見せないと人には何も言えない」宮本慎也
「大切なのは、運を引き寄せるために何をするか」立浪和義
「夢は逃げない。自分が夢から逃げるだけ」清原和博
「必死に取り組めば何かが見えてくる」木戸克彦
「神経を張りめぐらせれば相手の気持ちがわかる」金石昭人
「野球を通じて人間性が鍛えられた」吉村禎章
「心の部分がしっかりしていれば技術は伸びる」片岡篤史
「勝利と敗北の差を知ってチームが強くなった」野村弘樹
「大事なのはハート。意欲と目標を持っているか」中村順司
「『桑田二世』にふさわしい実力をつけたい」前田健太

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