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March 10, 2012

『球界の野良犬』

Aiko_norainu

『球界の野良犬』愛甲猛、宝島社

 これは単行本で出た時に買うべきでした。野球ファンというか、サポーツファンでしたら、誰が読んでも損はないほどのバックステージものの傑作。

 愛甲の場合は、高校時代からシンナーで補導されていたことがバレバレで、マンガなんかにも似たようなシチュエーションで描かれていたことがありましたが、まさか、ここまでヤンチャやっていたとは思いませんでした。

 そして、高校野球の監督はプロに3人送り込めば家が建つといわれていましたが、契約金4800万円のうち、手元に残ったのは3500万円と書いていたので、横浜高校の渡辺監督が差額をナニしたんでしょうね。まあ、中学やリトルリーグの指導者にも少しは行っていると思うし、そういった人たちがいないと競技のレベルが低くなってしまうので仕方ないと思います。

 高校野球のエピソードで笑ってしまったのが、準決勝の天理戦。なんでも愛甲さんのお母さんは学会の会員だそうで、同じ新興宗教相手には負けられないとばかりに全国の学会員が応援していたそうです。もちろん、愛甲も甲子園優勝投手ですから、しばらくは新年会で「池田先生」と同席していたそうです。

 愛甲はピッチャーとしては、たぶん今なら中継ぎとして重宝されるタイプになっていたと思いますが、当時は甲子園優勝投手なら先発完投型で大成しなければあきらめる、という感じだったんでしょうね。それに、高校時代からバッティングセンスが良かったから、打者に転向して成功します。

 彼のバッティングでいいのは、ヘッドが常にグリップより上の位置にあること。こういうバッターはなかなかいません。しかも、先輩に落合がいたから、教えてもらえる。

 落合のエピソードは痺れるものばかり。キャンプ初日に愛甲の使っているバットを見て「なんだ、こんなの使ってるのか。いらねえだろ、こんなの」と火鉢に入れてしまったという。もっといいバットを使えという親心だったらしいんですね。

 同じロッテでは村田兆治の話もすごかった。ノーサインで投げているのに打たれるとキャッチャーのサインをボロクソに言うというんですから、ピッチャーってのは、そのぐらいじゃないとつとまらないのかもしれません。

 また、禁断のサイン「ぶつけろ」があることも書かれていますし(p.156-)、一度、マリファナに手を出したことや、ステロイドを常用して、それが体を壊したことも書いてあるというすごい内容の本。

 続編の『球界のぶっちゃけ話』も購入。期待します。

 「感動をありがとう」みたいなぬるい本が多いサッカー界でも、こういうのがいつか出れば、と思います。

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