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February 25, 2012

ヨコハマ・フットボール映画祭を堪能

Offsidegirls

 先週から始まっているヨコハマ・フットボール映画祭ですが、初日の『テセ』は鑑賞券を忘れて行けず、二週目にようやく行けました。

 観たのはイランの『オフサイドガールズ』と『テヘラン25時』、ベトナムの『ぼくらのサッカーチーム』でした。

 『オフサイドガールズ』はイラン映画の底力を感じたというか、ごくフツーに良かったです。
 
 この映画はイランでは女性のサッカースタジアムでの観戦が禁じられているのですが、ワールドカップ出場がかったバーレーン戦にどうしても駆けつけたくて変装してまで行ってしまう、と。

 彼女たちにこうした行動をとらせたのは、日本とのワールドカップ予選で応援する日本人の女性サポータを見たからだ、と劇中で語られます。多くの国の女性にとっては、自由に明るく振る舞う日本人女性サポはまぶしい存在なのかもしれない、ということを、改めてこのセリフから思いました。

 また、06年の時の日本ではスタジアムに入ろうとしたイラン人観客に死者が出たんですが、そのこともシナリオに深く刻まれていました。つか、なんていうか、こんなに日本のワールドカップ予選の戦いがいろんな意味で世界に影響を与えているとは思ってもみませんでした。

 遠くのアウェーに駆けつける、礼儀正しく明るく清潔で、しかもとても自由な感じも与えているであろう多くの日本人サポ。彼らは、どれほど国際貢献しているんだろ、とも思いました。

 あと、田舎で羊飼いをやっている隊長っぽい男の、演技らしからぬ演技が素晴らしいと感じしましたね。昔、IJPC(イラン・ジャパン石油化学)の総務部にいた人に教わった本なんですが、『イラン人の心』岡田恵美子、NHKブックスという本がいいんですよ。ホメイニ革命前のイラン人の心情が実にわかる感じなんですが、イランは歴史が長いし、都市生活も長いから(テヘラン、イスファハン)、人情がきめ細かいというか繊細。

 ということで家では放牧生活している現場の若い隊長って実にいい。普段は偉そうに怒鳴りまくっているんだけど、捕まえた女の子たちにあんまり「トイレに行かせて」とせがまれると「仕方ない…」と行かせてあげるし、「喉がかわいた」とせがまれると、「しょうがない」という感じで護送しているバスを降りてオレンジジュースを人数分買ってくるし、最期にワールドカップ出場したんだから踊ろうよと住民たちに囲まれると踊りの輪に入っていて…という。ああいうフツーの人が、たぶんイランの宝なんだと思いました。

 しかし、監督のジャファール・パナヒが自宅軟禁されていたというのも知らなかった。実は、そういわれて、うっすらと後で思い出したのですがは日本でも公開されていたんですね。DVDも出ているみたいですが、ぜひ。

 『テヘラン25時』も面白かったというか、ライブで見たサッカーの中でもあの2-2の試合は、奇跡ベスト10には確実に入るものでした。

 『オフサイドガールズ』もそうだけど、イランの女性たちは、自分や家族のクルマの中だと一応、安全なのか、大声を出しまくる感じがします。

 そういえば『彼女が消えた浜辺』の冒頭のシーンでも、そうだったわな、とか思いながら観ていました。

 『ぼくらのサッカーチーム』は昭和40年代ぐらいに日本でやっていたプログラムピクチャーみたいな感じ。あるいは吉本新喜劇といますか、笑いに説明が入るというか、二度繰り返すみたいな。

 でも、老人が結構、尊敬されているのかなと思ったし、中国の古典なんかもやっぱり読まれているのかなとか、薬物汚染はベトナムでも問題あるのかよとか、貧富の格差が拡大しているみたいだとか、子供たちは勉強を相当やってるみたいだなとか、資本はオイルマネー頼みなのかなとか、いろいろ感じながら観ていました。あと、フジフイルムがアジアの映画では大活躍しているんだな、とかも、

 やっぱサッカーを媒介にしていると、等身大によくわかるというか、肌感覚でハッキリする感じ。

 こうした映画は「ヨコハマ・フットポール映画祭」じゃなきゃ観られなかったと思います。

 明日までなので、ぜひ!

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