『僕は自分が見たことしか信じない』
『僕は自分が見たことしか信じない』内田篤人、幻冬舎
えー、久々にサッカー本を読みましたw
サッカー関連書籍に好セールスが続いているせいか、久々に、この手の本でしっかりと「つくりこまれた」印象を受けます。
「自分の考えを人に知られるのも、好きではありません」「サッカー選手なので、人にいろいろなことを聞かれますが、そのときによって言うことが変わる場合もあるい、何より自分の心の底までオープンにする必要はない、と少し思っています」というまえがきも好感が持てます。
鹿島を選んだ理由がすごい。「もし、ここで試合に出られなかったとしても、次があると思ったのも本心。常に優勝を求められるクラブではなくて、上位進出やJ1残留を目標としてるクラブへ移籍して、やり直す道が残されている。日本でその特権を持つクラブは、鹿島くらいだと思う」と、よく率直にここまで書けたな、という感じ。と、同時に、何回も書いているのが、「ぼくは逃げ道を用意する」という言葉。逃げ道を用意しておいて、どうして悪い、というのは、いい居直りだと思います。
それにしても、日韓ワールドカップの時に中学生で、ベッカムに憧れていたのか…日本代表の右サイドに定着した感のある選手だけど、本当に若いんだな、と改めて思いますね。そして、サッカーに関しては「勝つチームには"勝ち癖"がついている」って言うんですね。試合には苦しい時間、我慢しなければいけない時間があって、その我慢をやり通す成功体験があるかないか。だから、勝ち続けて、優勝することでしか得られない、と。
こうしたやや硬い部分とともに、女性ファン向けのサービスショットもあるし、さらには子供たちに向けても、勉強やサッカーについての考え方も教えてくれる。
バイエルン戦でリベリーを押さえて自信をつけた話や、10/11のCLベスト8、ベスト4での経験なども「伝わってくる」感じがしました。 ルーニーに勝つにはどうするか「いろいろ考えたけれど、ひとつしか思いつかない。それは自分がビッグクラブと言われるチームに入っちゃうこと」というあたりが実現すれば(南アで彼は1分も出られなかったけど)、次のブラジル大会でも日本代表はベスト16以上が期待できるんじゃないですかね。
とにかく、いいセールスを期待できると思いました。
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