ワシントン・ナショナル・ギョラリー展
新国立美術館でワシントン・ナショナル・ギョラリー展を見てきました。
National Gallery of Artは大恐慌時にハードランディングな政策を打ったアンドリュー・メロンなど実業家が私財を寄付して設立した美術館。今回、展示されているのは、そのうち、日本人の好きなといいますか、印象派とポスト印象派の作品。それも、いわゆるお金持ち好みといいますか、おとなしい作品が多く、なんといいましょうか家族連れでも安心して楽しめるというのがウリになるような感じ。
アメリカの実業家たちがロンドンのナショナルギャラリーのような美術館をつくりたいということで実現させたということからでしょうか、途中で突然裸の女性なんかを描いた作品なんか出てきません。
とかなんとか、ネガティブなこと書いてきましたが、この手の「おとなしめの印象派」というのは、好きな画家と聞かれて「シスレー、コローの風景画」と言って恥じない美術オンチの小生のスタライクゾーンのど真ん中なんです。
ということで、当然、見物しに行く、と。
いきなりコローとクールベの風景画から始まる展示会は最初から絶好調。
美術オンチなもんで、バジール(Frederic Bazille)なんかの絵も始めてじっくり見て、一発で好きになりました。バジールは裕福な家の生まれで、自身でも絵を描くとともに、パトロンのような役割を果していたそうですが、若くして普仏戦争で死んでしまいます。フランスに人材がいなくなるのはこの頃からなんでしょうかね。いつも展覧会の思い出に一枚だけ買うポストカードはバジールの「エドモン・メートル」の肖像画にしようと思ったんですが、なかったので、別のバジール作品にしました。しかし、インターネットは便利なもので、すぐに検索できます。
日傘を差したカミーユを逆行で描かせたらモネが一番ですが、今回見た「日傘の女性、モネ夫人と息子」は、珍しく顔がしっかりと描かれていて、その顔がジブリの主人公みたいだったのには驚きました。
ゴッホの自画像も出ていましたが、ブルー基調のおとなしい感じで、「プロヴァンスの農園」も、いかにもアメリカの金持ちが好きそうな感じの絵でした。で、個人的には何回も言うようですが、好きなんですよね、この手の。以上、よかったな、ということで。
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