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May 17, 2011

原発問題は電気新聞に訊け!

Denki_sinbun_110517

 一般紙をみても、扇情的な見だしや、感情論を剥き出しにしたような記事が目立つ福島原発問題ですが、そうした中で、業界寄りであることは間違いないにせよ、電気新聞の記事は、なかなか読ませてくれます。

 例えば、13日に東電は「東電、今夏供給力を上方修正 想定最大需要上回る」と発表していたのを、ご存じでしたか?

 週末の報道なども一般紙やテレビなどはメルトダウン一色で、こうした情報は、ぼく自身の取り方も悪いのでしょうが、まったく気づきませんでした。

 確かに、事故を起こしたことは東電の責任ですし、2年前に貞観大地震の事実も指摘されたのですが、誤解を恐れずに言わせてもらえれば、ぼくが経営者でも、それだけで、とても新たな防波堤を突貫工事でつくろう、という決断は下せなかったと思います。

 事故がなかなか収束しないことへのイラ立ちから東電に対して厳しい目線を注ぐ気持ちはわかりますが、果たして、総合的にいろんなことをかけ算したら、それが最も最大多数の最大幸福につながるのでしょうか。

 5/17号の一面でも、元東大総長の有馬朗人氏(専攻は原子核物理学)のインタビューはなかなか読ませてもらいました。

 有馬先生は概略、以下のように述べています。

1)事故に目を奪われがちだが、原発は福島第一を除きすべて冷温停止した
2)津波対策が十分と見られていた三陸沿岸で死者・行方不明者2万5000人が犠牲になった一方、福島第一原発の事故でなくなった人が出ていないことは銘記すべき
3)政府は東西の電力の需給ギャップ解消に向けたロードマップを早急に示すべき
4)化石燃料の寿命はあと150年。新エネルギーを数%程度まで高めるべき
5)核廃棄物処理に加速器駆動核変換技術による処分法なども検討を

 一方、例えば昨日の夕刊フジと日刊ゲンダイは「漏水恐怖 汚染水10万トン」「節電失業12万人」なんていうのが見だしで、困ったもんだ…と思いましたよ。

 テレビも含めてこうした憶測に憶測を重ねて恐怖心をあおるようなものはそもそも報道とはとても思えないのですが、全体がそれに近い状況になっているなかで、何回も書きますが、電気業界寄りとはいえ、電気新聞をインターネット版だけでも見ることをお勧めします。

 ちなみに、被災地に配達難しいということでPDF版も出ています。

これは怖いけど…

Denki_sinbun

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Comments

>2)津波対策が十分と見られていた三陸沿岸で死者・行方不明者2万5000人が犠牲になった一方、
福島第一原発の事故でなくなった人が出ていないことは銘記すべき


亡くなった方いらっしゃいます。

http://www.tepco.co.jp/cc/press/11040301-j.html

Posted by: しまじろう | May 19, 2011 at 11:54 PM

それと、もう間に合わないかもしれませんが、このあと深夜ですが1:30からの
NHK総合をご覧になることをお勧めします。
教育テレビでの放送を見ましたが、煽るような番組ではなかったことを、
念のため申し添えます。

Posted by: しまじろう | May 20, 2011 at 12:18 AM

 有馬先生が書いた文脈で亡くなった方というのは、原発事故による死者ということです。その二名の方は4号機タービン建屋において地震で亡くなられたので、原発事故ではないでしょ?一緒に考えるのはちょっとw

 NHKの番組は、オンデマンドあたりでも見てみましょうかね。ご紹介ありがとうございます。

Posted by: pata | May 20, 2011 at 07:46 AM

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