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April 06, 2011

「原発は今後も伸び続ける」

Sentaku1104_kasiwagi

 雑誌『選択』は少なくとも、年2~3号は「なるほどな」という記事が読めます。

 年間1万2千円の一括払いという超強気な購読システムで「三万人のための情報誌」を続けているというのは、なかなか凄いことだと思います。

 わたしごときが勧めるまでもありませんが、余裕のある方はぜひ購読を!

 ということで4月号は良かったです。

 なにより巻頭インタビューの柏木孝夫東工大教授の意見が、これまで読んできた原発議論の中で、一番納得的でした。

 この際ですから、ご紹介したいと思います。

 その核心をついていると思うのが、以下の部分。

仮に日本がどうあれ、新興国は猛烈な経済成長を目指す。経済が伸びるのは不可避だ。その場合、苛烈な資源争奪戦も抑え、持続可能な成長を助けるエネルギー源を考えれば、自ずと選択肢は限られる。エネルギー量の比較では、ウラン一グラムに対して石炭は三トン。つまり、三百万倍の高発熱量を誇るわけで、世界が原子力を手放すとは考えにくい。特に産業セクターにはどうしてもメガインフラが必要となり、現状、化石燃料か原子力に頼る以外にない。割安だと判断されるうちは、世界では今後も原子力は伸び続ける。世界が原子力を捨てない以上、彼らには最先端の技術で運用してもらわなければならない。その時、日本の技術・経験上の備蓄も大きな意味を持つのではないか。

 以降は多少はしょりますと、LNGやシェールガスも注目されているが、いずれ資源コストは上昇する、と。化石燃料は資源枯渇や、温室効果という問題もある、と。自然エネルギーは不安定。制御できる原子力技術の開発を進めていくしかない、というのが結論。

 圧倒的に説得力があるのは、新興国が原発を作り続ける以上、その安全のためにも日本が技術を磨き続けなければならない、という点だと思います。

 日本が原発をやめるという方向に人びとが向かうなら、もちろんそれには反対はしませんが、だからといって世界がやめるとは思えないし、それに対して「やっぱり危ないところもあるから」と啓蒙的に対処するだけでいいのか、という問題は巨大なものとして残ると思います。おそらく、温暖化ガスの問題と同じように、先進国の規制に、なぜ新興国が従わなければならないのか、という問題が浮上してくるのではないでしょうか。

 そして、今回の津波被害を踏まえて、安全対策を強化する方向のほうが、将来のリスクは低くなるという蓋然性の方が高いと思います。安全神話は崩れましたが、ここから、新しく、さらに安全を追求していく姿勢が大切なのではないでしょうか。韓国が中東で原発建設を受注するような例も増えていくと思うけど、決め手となったのは60年補償と「隣が日本」ということだったといわれています。

 ぼくも素人ですが、技術というのは、具体的な問題点をひとつ一つ潰していくことだと思っています。原発でも、それは可能じゃないかと思います。今は日本全体がショックを受けていて聞いてもらえない議論かもしれませんが、ぼくは技術や知識は世界を良い方向に変えると信じていますし、資源のない日本が生きていくには、その技術を磨いていくしかないと思っています。

 この件に関しては、これ以上、議論を深めることは難しいと思いますので、コメント欄は閉じますので、ご諒解ください。

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