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February 11, 2011

『日本人が知らないウィキリークス』

Wikileaks

『日本人が知らないウィキリークス』小林恭子、白井聡、塚越健司、津田大介、八田真行、浜野喬士、孫崎享、洋泉社

 個人的に非常に高く評価している洋泉社新書から、スピード重視の共著という形で、ウィキリークスとは何か、米公電暴露の問題は何だったのか、という当面、知りたい情報の提供を行った本。

 ということで、忙しい人は博士課程後期課程在籍中という塚越健司さんの「第1章 ウィキリークスとは何か」と防衛大学の孫崎享元教授の「第5章 米公電暴露の衝撃と外交」だけ読めばいいかもしれません。

 個人的には、やはり孫崎亨さんのが面白かったかな。

 イランのアザデガン油田の権益放棄は陶然、米国の圧力だと思ってましたが、何回かやった日本企業の権利放棄分をいつも中国がゲットしているとは知りませんでした(p.156)

 また9.11以降、知るべき人へ情報を提供するシステムから共有するシステムに代ったというのが大量漏洩の遠因というのはよく語られていましたが、国務省がSIPRから抜けたというのは知りませんでした(p.165)。まあ、それぐらいしないと、米国の外交官は仕事なんかできないでしょうからね。

 漏洩された外交文書の国別件数では、日本は第三位だそうです。ちょうど自民党から民主党への政権交代の時期と重なったということもあるんでしょうが、ちょっと意外。鳩山・小沢政権は米国の軍事戦略についていかなかったが、菅政権は即応体制をとるようになっている、というキャンベル国務次官補の東京発電を中心とした話からすると、米は菅政権を支持しているのかも。

 とにかく、全5697件の開示が楽しみです。

 あと、エジプト情勢もすごいことになっているので、REAL CLEAR POLITICSを毎日チェックしようか、と思いました。

【目次】

はじめに
 
[第1章] ウィキリークスとは何か──加速するリーク社会化〈塚越健司〉
1 リークサイト「ウィキリークス」とは
2 ウィキリークスの情報公開──賞賛と批判
3 2010年──変化するリーク方法
4 公電公開後の動き
5 加速するリーク社会化

第2章] ウィキリークス時代のジャーナリズム 〈小林恭子〉
1 ジャーナリズムとリーク
2 国家機密のリーク報道
3 リーク報道をめぐる様々な評価
4 ウィキリークス時代のジャーナリズム

[第3章] 「ウィキリークス以後」のメディアの10年に向けて 〈津田大介〉
 
[第4章] ウィキリークスを支えた技術と思想 〈八田真行〉
 
[第5章] 米公電暴露の衝撃と外交 〈孫崎 享〉
 
[第6章] 「正義はなされよ、世界は滅びよ」──ウィキリークスにとって「公益」とは何か 〈浜野喬士〉
 
第7章] 主権の溶解の時代に──ウィキリークスは革命か? 〈白井 聡〉
1 「歴史は繰り返す」。だが、いかなる歴史が?
2 カリフォルニアン・イデオロギーの政治的帰結
3 主権の溶解

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