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December 19, 2010

『作家の使命 私の戦後 山崎豊子 自作を語る』

Yamazaki_toyoko

『作家の使命 私の戦後 山崎豊子 自作を語る』山崎豊子、新潮社

 えー、まあ、『沈まぬ太陽』に関しては、フィクションとしてなら面白いかもしれないけど、モデルである日航という実際の会社と経営者がわかりすぎるぐらい分かるように描くのであれば、ちょっと不正確すぎるし、主人公と会長が良い人過ぎると感じていました。

 まあ、正直言って原作を読む気にはなれないのですが、それでは、あまりにも無責任ですので、自作を語った『作家の使命 私の戦後』を読んでみました。

 目を覆いたくなるような遺体を冷静に処理して医師に渡す日赤の看護婦さんたちは、災害救助訓練を受けていたというあたりは頭が下がる思いをしました(p.152-)。

 また、作家の怒りが爆発し、当時はタブーだったJAL相手の小説を書かせるエネルギーになったのは、ボーイング社への取材が「国家間で決着がついてすんだこと」というケンホロな対応だったように感じます。《そもそもボーイング社は日本を焦土と化し、広島に原爆を落としたB29をはじめとする軍用機メーカーです。五百二十名の死者に対する贖罪の気持ちなど彼らにはないというこどよくわかりました》(p.155)というあたりは強烈でしたかね。

 ただ、こうした批判精神が主人公である恩地や国見会長のモデルに向かなかったのは、やはり残念です。

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