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November 12, 2010

『泣き言はいわない』

Shugoro_nakigoto

『泣き言はいわない』山本周五郎、新潮文庫

 山本周五郎の作品を、いま、どれだけの人がリアリティを持って読めるのかな、と思う時があります(正直言って、ぼくも辛い)。

 でも、誰でも彼の文章がきっと、身に滲みるような時がくるんじゃないかとも思ったりして。

 『泣き言はいわない』は山本周五郎の作品のアンソロジー。

 この文章を読んで、なんか感じた方は、ぜひ(p.196)。

 「裏長屋の暮らしをみ給え、かれらは義理が固い、単なる隣づきあいが、どんな近い親類のようにも思える、他人の不幸には一緒に泣き、たまに幸福があれば心からよろこびあう、…それはかれらが貧しくて、お互い同志が助け合わねば安心して生きてゆけないからだ、間違った事をすれば筒抜けだし、そうなれば長屋に住んではいられない、そしてかれらが住居を替えることは、そのまま生計の破綻となることが多いんだ、なるべく義理を欠かさないように、間違ったことをしないように、かれらはその二つを守り神のように考えて生きているんだ、かれらほど悪事や不義理を憎むものはないんだよ」
 『寝ぼけ署長』

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