『ポールソン回顧録』#2
『ポールソン回顧録』ヘンリー・ポールソン、有賀裕子 (訳) 、日本経済新聞出版社
面白いと思ったところを断片的に…。
大統領から首相に転じたばかりのプーチンとの会談では、ロシア側がさんざんポールソンを待たせて、プーチンの権威を際立たせようというようなことをやるんだな、と感心しました。おかげでメドヴェージェフとの会談に遅れそうになったというのには笑いましたが、明らかにプーチンの方が何枚も格上なんだな、と(p.184-)。関係ありませんが、メドヴェージェフが国後で持っていたカメラは、不自然に突起したファインダーの形状からして、もうかなり古いパナのLUMIX DMC-L1だったように見えました。デジカメの製品ラッシュ具合からすると、こんなにも古く、しかもパナソニックがLeicaの名前だけを借りた似非レンズをつけたようなカメラ嬉しそうに持ってるメドは、やっぱりプーチンと比べて小物かなぁ、と。
その後、ロシアは中国に対してGSE債を一斉に売り、米政府にフレディマックとファニーメイを救済せざるを得なくする、という提案を行っていて、それを知ったポールソンは、電話などでは知らせず、直接、セキュリティの確かな環境でブッシュに伝えたというんですが、さすがにセキュリティに関する意識は高いな、と(p.210)。日本の民主党には期待しているんですが、こうした意識の希薄さが気にかかります。早く慣れないと。
リーマンの中興の祖であるファルドは、韓国産業銀行とか中国投資有限公司などのほか泥沼にはまるAIGなどにも救済を求めていたとのことですが、全て断られます(p.207)。
AIGは高い格付けの債権を貸し出して、対価として現金を受け取っていましたが、それをサブプライムローンで問題になったモーゲージ担保証券(MBS)に投資していたため、いったん危機が伝えられて取引解消を図られると、流動性の低くなったMBSを安値で売却しなければならないという負のスパイラルに落ち込んでいきます(p.281)。AIGはバーナンキの説明によると「保険会社の上にヘッジファンドが乗っかっているようなもの」とのこと(p.304)。うまい説明だな、と。
リーマンが最後に頼ったのはバークレイでしたが、英国政府がリスクを犯させないように横やりを入れ、最終的には破綻せざるを得なくなります。そして、FRBはレポ取引のを延長し、リーマンが破産申請して市場があれる前に、各金融機関にリーマンとの取引を精算する機会を提供したのですが、そこまでやるんだ、と思いましたね(p.279)。一方、結局。リーマンが破産法の適用を申請したの、アジア市場が開いてからかなり時間がたってからになってしまいます。この扱いの差はでかいですよね…。
この後、投資家はいっせいに米国債の買いに走り、実質的にはマイナス金利になるほどの「質への逃避」がおきます(p.299)。
さらにモルガンスタンレーが危機に陥りますが、救ったのは三菱UFJ。しかし、ポールソンは、三菱UFJが迅速に動けるのは疑問だと書いているなど、中国の金融機関よりも、だいぶ下に見ていますね…(p.346)。
こうしたことが続いたため、空売り規制も実施します。空売りは「価格発見と透明性の向上を促す重要な要因」であるとして規制には消極的だったポールソンですが、放置できない状況だったため、期間を区切って実施されます(p.317)。
リーマンショックは9月15日でしたが、この後も、危機が続き、9月21にはモルガン・スタンレーとゴルドマン・サックスが銀行持ち株会社への転換が図られ、ポールソンは「わたしの知るウォール街はその歴史に幕を閉じた」と書きます(p.354)。
ここらへんが第2幕という感じでしょうか。
後で、もう少し、書きます。
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