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August 19, 2010

『官邸敗北』

Kantei_haiboku

『官邸敗北』長谷川幸洋、講談社

 鳩山、小沢ダブル辞任の直前に上梓されて話題になっていた本を、ようやく読みました。

 内容的には驚くようなものはないのですが、大きくとらえると民主党政権と財務・国税、法務・検察という2大官僚組織との戦いを描いていると思います。

 そして、財務・国税は早くから民主党政権にスリより、予選編成権を国家戦略局に奪われぬよう周到に準備し、財政規律を重視する方向へ誘導していったのに対し、法務・検察は民主党ツートップとの対決に走ります。

 また、マスコミという身内に対する批判も鋭く、正当なものに感じました。

 小沢報道に関し、司法記者クラブの記者が検察のリークを報道したことが、検察側の情報操作に手を貸すことになったとしているほか、財務省記者クラブに対しても「財政が大変だ」とは書いても、「天下りがひどい」とは書かないと批判しています(p.196)。

 国家戦略局構想の縮小と経産省出身の松井孝治参議院議員外しをみていると、民主党は財務省を使ってまず他の官庁の権益を叩きつぶし、その後で財務省を問題にする、という二段階革命論がにわかに現実味を持って感じられますが、なんか権力闘争に明け暮れているようなここ1~2ヵ月をみると、なんか期待感が…という感じにはなってきますよね。

[目次]
第一章 官邸連続ミステリー
●財務官僚が議論にヤジ
●事業仕分けの功績者を邪魔者扱い
●菅直人の怒声「フジイの辞表をもってこい」
●官邸をないがしろにした財務省人事

第二章 民主党抱き込み工作
●財務省のゲームプランにはまる
●霞が関の利権を財務省の利権に組み替え
●国家戦略室の法的根拠は「どうぞ総理のご勝手に」
●内閣総務官室が書いた驚くべき法案

第三章 ドーナツ化する政権
●財務省お得意の「ヘトヘト」作戦
●藤井財務相辞任の背景
●政策決定の主導権を市場に委ねる邪道
●マニフェストと閣議決定の板挟み

第四章 操縦されるマスメディア
●一回の電話で亀井に押し切られた鳩山首相
●勝主計局長が激怒
●国税と検察はスキャンダルを知っていた
●司法記者を検察のポチに仕立てる四重基準

第五章 財政と天下りを分けるな
●民主党の成長戦略は専務理事政策の典型
●増税より公務員給与の削減が先
●財政危機と天下り問題は表裏一体
●総理大臣が小沢の代理人

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