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March 25, 2010

女暫と染模様恩愛御書

Kabukiza201003b

 3月の歌舞伎は、玉三郎さんの「女暫」と日生劇場でやっている「染模様恩愛御書」を楽しみました。

 歌舞伎座の筋書では瀬戸内寂聴、服部禮次郎のお二人とも十五世羽左衛門に触れていましたね。羽左衛門さんは、いまの歌舞伎座の舞台は踏んだことないけど、やっぱり、近代以降の歌舞伎で「水もしたたる」と形容されるほどのいい男は十五世羽左衛門さんしかいないと思いまして、3階に飾られている写真に挨拶にいきました。新しい歌舞伎座でも十五世羽左衛門さんたちのお写真が飾られることを望みます。

 ということで3月と4月はいよいよ「御名残興業」となって、なんと三部制。松竹も儲けますよねぇ。みんな歌舞伎の建物の写真をバックに記念撮影していたりするし、それだけニーズがあるっていうことなんでしょうから、まあ株主としてもありがたいのですが、出し物は相変わらず疑問。

Ichimura_uzaemon_15th

 三大狂言では菅原伝授手習鑑があまり好きではない、というのは何回か書いたんですけど、一部の出だしはその菅原の一幕目の「加茂堤(かもづつみ)」。発端だけの加茂堤だけ観せてどーすんの、という感じですが、しょうがないので孝太郎さんだけ見る。バカみたいな役だけどw

 30分の幕間の後はたった15分しかやらない「楼門五三桐(さんもんごさんのきり)」。このあと、また30分の幕間。誰が、こんな並びを考えたんでしょうね…。

 隣に座っていたのも株主でしたが「ひどい並びですね」と話し込む。この方は電話で申し込むそうで、ここ数回は大変だったそうだとのこと。インターネットに株主専用のWebありますよと伝えたんですが、それにしても席もヒドイ。一等だけど研修生が観たり、舞台写真撮ったりする近く。

 とにかく、さらに30分の幕間の後、玉三郎さんの「女暫(おんなしばらく)」。「女暫」を見物するのは初めて。歌右衛門さんも玉さまも2回しか演ってない。巴御前の髪飾りが、なんつうかドクタースランプのアラレちゃんみたいな感じで可愛かった。でも、ちょっとセリフが不安定だったかな…。声が揺れる感じがしました。歌右衛門さんだったら、コントロールしやすい小さな声のまま知らんぷりして通してしまったかもしれないけど、玉三郎さんは頑張ってしまうのではないでしょうか。いじらしい。

Nissei201003b

 日生劇場で明日までやっている「染模様恩愛御書」(そめもよう ちゅうぎの ごしゅいん) 。細川の血達磨として伝えられている兄弟の話を、衆道の義兄弟に置き換えたもの。というかBL歌舞伎として人気が出つつあるという作品。

 いきなり出だしに上方講釈師の旭堂南左衛門さんが出てきて物語の発端を語ってくれます。なんか仮名手本忠臣蔵の大序みたいな感じだけど、出番はここだけでなく浄瑠璃の太夫達が座るチョボ床などにも座ったりして、スピーディに物語を進行させます。大道具が真ん中から分かれる階段付の二階建ての造作物ひとつというのも現代的だし、暗転で舞台の流れを止めません。男二人が情けを交わした後に敵討ちの事情を語る場面なんかも、まわりくどくなくていい。

 染五郎さんが血達磨になってしまう発端をつくる二人に焼き餅を焼いた腰元は、浅草寺の場面で八百屋お七にちょこっと触れますが、それが屋敷に火をつける複線になっているあたりも、脚本(ほん)がよく練られている感じがします。

 71年ぶりの復活公演となった大阪松竹座での筋書きも勉強していったんですが、図書さまの殺人、出奔のくだりが簡略化されていて、余計にわかりやすい勧善懲悪の物語になっている感じがします。

 火事の場面は大成功とは言えないと思うけど、最後の階段落ちは迫力満点(染五郎さん、最後までご無事で)。

 とにかく、テーマがデーマだけに大阪松竹、日生劇場と恐る恐る公演してきたという感じもありますが、ぜひ、次は新しい歌舞伎座で観たいと思いました!

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