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February 15, 2010

Karajan/BPO

Karajan_bpo_mahler_9

 最近、CD屋さんに行くと、カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団(Karajan/BPO)のCDを探すようにしています。

 ぼくは、中学校ぐらいからベーム指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団(Boehm/WPO)でクラシックを覚えたと思っていまして(どれだけ理解できているかはおぼつかないのですが)、ライバルであったKarajan/BPOをなんとなく敬遠していました。

 これって、例えばいったん巨人ファンになったら阪神が嫌いになったり、シティに忠誠を誓ったらユナイテッドには見向きもしないというような心持ちと同じではないかと思うのですが、とにかく、そうやって何十年を過ごしてきても一向に不自由は感じませんでした。

 カラヤンとベームというのは何もかも正反対ですよね。容貌も棒の振りっぷりも録音も。

 まあ、そんなんで、レコードで買ったのは、オーディオチェック用にということで、当時、世界最高音質と言われたR・シュトラウスのツァラトゥストラ(1974年版)、CDで買ったのは企画がいいなと思ったアダージョ・カラヤンだけでした。

 で、そんな状態が変ったのは、ボックスのブラームスの交響曲全集を聴いてから。特に2番と4番なんですが、とにかく明快だと感じました。

 後は、もうドイツ・グラムフォン(DG)のボックスものを見つけては買いまくり。なんせ、9枚組のブルックナー全集でも、確か3000円台だと思いましたから、タダみたいなもの。

 ユーロ安ということで、昔は高嶺の花だったCDも輸入の1枚モノなら890円ぐらいで、ありがたい。

 ということで、だいぶ、たまりましたので、あまり信用ならないとは思いますが、個人的に良かったというか、隠れた名盤みたいなのをご紹介したいと思います。

Karajan_bpo_honegger_2_3

 アルテュール・オネゲル(Arthur Honegger)の交響曲2番、3番『典礼風』。
 『典礼風』は第2次世界大戦の犠牲者への追悼作という、とてもカラヤンが録音しそうにもない曲ですが、ドラマチックなストリングスを聴かせてくれます。
 なんつうか聴き所を提示してくれているような感じ。

Karajan_bpo_shostakovich_10

 ドミトリイ・ショスタコーヴィチ(Dmitrii Shostakovich)の交響曲10番。
 これも20世紀の作品シリーズとして発売されていたんでしょうかね?カラヤンが唯一、残したショスタコーヴィッチの作品が10番です。第2楽章でガツーンと圧倒し、4楽章でも妙な解釈を加えることなく、暴走気味に勝利に向かってBPOを疾走させます。カラヤンはショスタコーヴィチに、ヒトラーとスターリンという独裁者に翻弄された者同士という経験を深いところで共有し、そうした中でも表現活動を行っていくということは、こういうことでもあるんだ、と自信を持って示したという感じも受けます。

Karajan_bpo_schoenberg

 シェーンベルク(Arnold Schoenberg)の『浄夜』。
 ベームは現代音楽をあまり演ってくれませんので、そっちの方向はブーレーズを中心に聴いていたんですが、まあ、無理してといいますか頑張って聴いていた部分もあったと思います。しかし、カラヤンの解釈は単純な「美しさ」を提示することでした。それと同時に、なんつうかミニマルミュージックみたいに音が凍りつくような瞬間をも表現しているように感じます。

Karajan_bpo_prokofiev_5

 プロコフィエフ(Sergei Prokofievの)交響曲第5番。
 5番はop.100とあるようにプロコフィエフの作品番号100番です。ということで、どこか余裕のある印象のプロコフィエフが、妙に気張ってる感じがするのですが、それもまた、面白い。さらに、最後のフィナーレの盛り上げっぷりなんかは、BPOの厚みのあるストリングスと強烈な弦楽器がピッタリとからみあって、カラヤンがイケイケで押しまくっている印象。

Krajan_bpo_mendelssohn_3_4

 メンデルスゾーン(Felix Mendelssohn)の交響曲第3番『スコットランド』、第4番『イタリア』、フィンガルの洞窟。
 有名な『イタリア』はこれぞレガート奏法、レガート三昧という感じです。ベルリンのイエス・キリスト教会で録音されたということで、相当、自信を持った録音なんじゃないでしょうかね。ノー天気に明るくはないけど、それを色彩豊かなサウンドで上手に包んでいる、という感じでしょうか。第三楽章の盛り上がりっぷりといったら!

 マーラーの5番、9番(82年のLive)などについては、ぼくなんかが書く必要はないと思いますので、割愛させていただきますが、ぜひ、お求めください。

 まだ、ニールセンの『不滅』とか見つけていませんし、これからも、どんどん買っていきたいと思っています。

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