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October 08, 2009

『イラク生残記』

Iraq_katsuya

『イラク生残記』勝谷誠彦、講談社

 まったく興味のない方だったけど、『戦争を読む』で加藤陽子さんが橋田信介さんがらみで紹介して書いていたので、読むことに。

 橋田さん思い出として、銃を突きつけられたら「相手がいろいろ言う前に、座っちゃうんだよ。そして、相手にも『まあ座れよ』って言うんだ。座ったらもうしめたもので、そこから先は絶対に撃たない」「勝谷さんみたいに高飛車にモノを言うと、一発で撃たれるよ」と語っていたというのは印象的(序章)。

 勝谷さんは、ヨルダンからイラクに入る時、アリババによるホールドアップに遭っているのですが、橋田さんは「どうせポリスレコードなんかとってないでしょ」と見抜いて、共同通信の支局にネタとして話し、ニュースにしてもらえ、と勧めます。それはポルポト派にテレビ用機材の一式を強奪された時、ニュースとして書かれたおかげで保険がおりた、という経験を踏まえています。これなんか、すごい知恵ですよね(p.104-)。ちなみに、この時、橋田さんと行動を共にしていたのは鴨志田穣さんでした。

 また、援助物資が滝のように流れ込んでいく、ということを報告した後の《過剰から来る過熱への恐怖の方が、驚きとともに私を支配した》(p.71)というのはフーン、みたいな。でも、あまり文章自体は決まっていないと思う。

 その直後の免税店に関する「女性がまだほとんど外を出歩くことなく、男は酒を飲まないイスラム国家にあっては、店の中にやる気がない空気が漂うのもいたしかたないのかもしれない」(p.72)というあたりは、さすが不肖・宮嶋のゴーストライターをやっていただけのことはあるけど。イラクの現状に関しての《かくも「万人の万人に対する闘争状態」の地は初めてであった》(p.99)というのはなかなかよかった。なるほどな、と。

 シーア派の信者はイマームの肖像を祭の際などに掲げるが、これは偶像崇拝を認めないスンニ派とは違い《かなりゆるゆるしたイスラム教ではいかと私は感じた》(p.152)というのは、なるほどな、と。また、イラクは中東で唯一「油と水がある国」というのも、なるほどな、と(p.171)。

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