『ウィトゲンシュタインはこう考えた』#2
ウィトゲンシュタインの遺した全テキストを
1)常に持ち歩いていた大型ノートに手書きされた手稿
2)タイプ原稿
3)学生らによる口述原稿
に分け、さらに年代別に整理したのがフォン・ライトで、それぞれ手稿はMS101-183、タイプ原稿はTS201-245、口述原稿はD301-311というフォン・ライト番号が与えられています。
ウィトゲンシュタインのテキスト作成過程は、基本的にa)一次手稿b)最終手稿c)一次タイプ原稿d)最終タイプ原稿-という4段階からなり、鬼界さんによると、言葉をそぎ落としたような著作のテキストの背後にある手稿やタイプ原稿の成り立ちから見ていけば、その読解を助けてくれる、という方法論が導かれます。
例えば『論考』の場合「原『論考』」ともいうべきMS104が存在するそうです。
つまり、ウィトゲンシュタイン自ら解説してくるようなソースともいえべき手稿を元に読み直していこう、というのが著者の読解のスタイルというわけですな。
閑話休題といいますか、ウィトゲンシュタインの『論考』のスタイルは「スレッド・シークェンス法」と呼ばれる構造を持っています。
1 世界とは実情であることがらの全てである。
1.1 世界は事実の総計であって、ものの総計ではない。
1.11 世界は諸事実によって、しかもこれらが全ての事実であるということによって、決定されている。
1.12 というのも、事実の総計は、何が実情であるかとを決定するが、他方何が実情でなあかをも全て決定するからである。
1.13 論理空間における諸事実が世界である。
1.2 世界は諸事実に分解する。
具体的には、大修館版の全集では以上のような形なのですが、何よりも、『探求』を含めて頭に番号が振られているテキストの多いことに、橋爪大三郎さんではありませんが聖書を想起させられます。
ウィトゲンシュタインが第一次世界大戦に従軍中、いつも読んでいたというトルストイの要約福音書の影響をあげる人も多いのですが、ぼくの場合は、さらに、語録福音書といいますか、マタイやルカの著者がそれぞれの福音書を書く時にマルコとともに利用したといわれるイエスがこう語った、とだけ簡潔に述べている福音書(Q資料)が思いおこされます。
Q資料は発見されていませんが、異端の文書として正統派教会から退けられたグノーシス派の福音書のひとつである『トマスによる福音書』の短く厳しい調子というのは、なんかウィトゲンシュタインのテキストを連想させるんですよね。
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