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June 04, 2009

『『ザ・タイムズ』にみる幕末維新』

Ishin_by_times

『『ザ・タイムズ』にみる幕末維新 「日本」はいかに議論されたか』皆村武一、中公新書

 今年横浜は開港150周年。

 いくら出島などで門戸を開いていたとはいえ、庶民的には開国150周年。

 ということで新宿・紀伊国屋でやっていたブックフェアで見つけたのが、だいぶ前に上梓されたこの本。

 タイトル通り、鹿児島に大量に保管されている『ザ・タイムズ』の記事から幕末維新に関する記事を集めて、当時の西欧諸国が江戸幕府、明治政府をどう見ていたというか、日本という国をどう観察していたのかということを探ったのが本書。

 当時はマルコ・ポーロとイエズス会の聖職者たちが残した文章の後は、ケンペルの『日本誌』(The History of Japan)、シーボルトの『日本』しかなく、全般的なイメージを持ちにくい国だったようです。そこに以下のような世界史と覆い被さるような形での日本史が展開されるわけです。

1844 オランダ国王による開国の薦め
1852 ペリー遠征隊、西海岸を出発
1853 クリミア戦争
   ペリー浦賀に来訪
1854 英国が植民省を設置
1857 幕府、ハリスと下田条約
1859 安政の大獄
1861 アメリカ南北戦争
1867 大政奉還
1868 鳥羽伏見の戦いから明治維新
1870 普仏戦争
1873 世界恐慌

 いろいろ面白かったのですが、不平等条約という面ばかり印象づけられていた下田条約ですが、ハリスは英国によるアヘン戦争的なやり方を憎んでおり、アヘン禁輸などを盛込んだこの条約を締結すれば、他国とも同じような条約を結べるという利点を幕府に説いていたというあたりは、なるほどな、と。

 また、この時期はイギリス政府もアヘン戦争の反省から自由党のグラッドストンによる小帝国主義的な方向が模索されていたんですね。とにかく当時の万国公法では、ヨーロッパ文明を有する国だけが文明国となされ、国際法上の主体として認められていたわけですが、薩英戦争の行方を巡って、イギリス議会でも鹿児島の街を焼き払うためのロケット弾を使用したことに対しては人道的に問題があるという動議が出された(p.54)というのは知らなかったです。

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