『不肖・宮嶋 ちょっと戦争ボケ 上』
『不肖・宮嶋 ちょっと戦争ボケ<上> 1989~1996』宮嶋茂樹、新潮文庫
息抜きというか、楽しむためだけの読書には、個人的に不肖・宮嶋シリーズが最強です。
不肖・宮嶋シリーズは版元の売らんがための戦略なのか、単行本を改題して文庫するという手法がとられていまして、この本も『不肖・宮嶋 国境なき取材団』を改題したものなのですが、奇跡的に単行本を読んでいなかったんで、ラッキーとばかりに読み進めました。
前回も書いたかもしれませんが、そもそもこのシリーズが生まれるキッカケになったのは、カンボシアPKOへの同行取材でしたので、不肖・宮嶋さんのキャラも取材範囲も、自衛隊の海外派遣とともに広がっていったと思います。
上巻も「第2章 機雷モ見エズ、雲モナク ペルシャ湾 一九九一(平成三)年六月」「第4章 仁義なき大陸―ルワンダ 一九九四(平成六)年九月~十月」「第5章 ゴラン高原PKO野宿記―ゴラン高原 一九九六(平成八)年二月」と5本のうち3本がPKOもの。
年代を追って書いているので、最初のペルシャ湾の掃海作戦では滞在期間が短くて残念ながら取材期間中に機雷を爆破する場面に遭遇することができず、ルワンダPKOでは現地に赴くまでに交通の便宜も図ってもらえませんでした。また、ゴラン高原でも便宜供与はわずかなものでした。
ところが、だんだん人気が出るにしたがい、自衛隊の方から積極的なアプローチが目立ってくる、というのが下巻なのかな、と思います。
それにしても100万人近い人間が殺し、殺されたルワンダの話はヒドイ。
フランス軍は自衛隊が来る前にシッポを巻いて逃げ出すは、難民たちはボランティア団体を襲うは、あげくの果てに、近くのニイラゴンゴ山が噴火して、火砕流が難民キャンプを呑み込んで終了したようです。
PKOで来ている例えば東欧のポーランド軍の兵士などは《国連から支払われるドルをしっかり貯め、車を買って国にコロがして帰る》といった《ビンボー国ならではの楽しみ》があるといった、なかなか聞けない話も満載されているかせ、本当にこのシリーズは面白い。
第1章 ルーマニアに銃弾を潜る―ブカレスト 一九八九(平成元)年十二月
第2章 機雷モ見エズ、雲モナク―ペルシャ湾 一九九一(平成三)年六月
第3章 ボスニア一人ぼっち―ボスニア・ヘルツェゴビナ 一九九四(平成六)年六月
第4章 仁義なき大陸―ルワンダ 一九九四(平成六)年九月~十月
第5章 ゴラン高原PKO野宿記―ゴラン高原 一九九六(平成八)年二月
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