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March 30, 2009

『政権交代論』

Seken_koutai

 社会民主主義系を自称する山口二郎教授が総選挙までリミット半年を切った時点で岩波からズバリ『政権交代論』を上梓しました。

 まあ、中身はそんなに濃くないんですが、頭ん中の整理にはいいんじゃないでしょうか。
 
 山口さんが日本の政権交代で今でも惜しかったとする1993年の細川政権に対して、同じように久々の政権交代を実現したイギリスのブレア労働党は《政権を獲得した暁に何をしたいのかというアイディアを豊富に持っていた》(p.105)というんですな。逆に細川政権は選挙制度改革ぐらいしか共有する課題を持っておらず、その後の展開がなかった、と。

 ブレア政権は最初こそサッチャー路線からの実質的な政策転換は起こらなかったのですが、スコットラトンドの地方分権の拡大などを進めるとともに、二期目からは勤労者向けの所得減税、医療支出の大幅拡大、子育て支援、若年層に対する職業訓練の強化など実現します。特にサッチャリズムによって入院、手術が半年に及ぶようになった医療サービスの充実は重要だったようです。

 市民病院を閉鎖した銚子市長がリコールで失職しましたが、日本でも地域の医療サービスは日本でも問われているようです。《今の日本に必要なことは、医療、介護、教育、保育など、人間の生活を支えるサービスを立て直すこと》(p.215)とうのはなんかのヒントになるんですかね。

 細川政権が失速したのは、当初目指した政治改革の実現というのはメタレベルの政策であり、それ以降《時代の要請に敵った、国民の期待を喚起できるような的確なアジェンダ(政策課題のリスト)を設定できなかった》(p.142)からだというんですね。

 一方、自民党はそれまで、常に二点張り(強者と弱者、中央と地方、第二次産業と一次産業)で安定した政権運営をこなしていましたが、細川政権の成立の過程で、中道左派が党内から去り、清和会主導の右派が多数を占めるようになりました。自民党は小泉政権による一点張りの政権運営が一時は大成功を収めたものの、首相府への権力の集中は《この統治モデルを担うだけの力量を持たない政治家がリーダーの地位についた場合、リーダーの無力、無能さがことのほか目立つ結果になり、自民党や政権に対する不信をかえって強め》(p.152)たという皮肉な結果も生んだわけです。

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