« サッカー協会の強化担当に原博実氏が就任へ! | Main | 「いたる」の天狗舞蔵出しミニタンク »

February 14, 2009

歌右衛門本二冊

Utaemon_book3

 『團十郎と歌右衛門』中川右介を読んで以来、久々に成駒屋さんのことを思い出しながら、本を読みました。とりあえず集めたのが『三島由紀夫文学論集III』と『花ざかりの森・憂国』に収録されている「女方」、それに円地文子の『女形一代 七世瀬川菊之丞伝』。

 歌右衛門さんと三島は実際にワケありだったみたいですが、1948.11の『中村芝翫論』は一方的なラブレター。楽屋で会ったのが1951.11。この時、三島は26歳、歌右衛門さんは34歳。その後、歌右衛門さんのために新作歌舞伎『地獄変』も書きます。その後、仲違いしますが、小説『女方』が発表されたのが1957.10。

 これは三島がモデルだと思われる演出家に惹かれていく女方・佐野川万菊を、松竹の文芸部員だけど歌右衛門さんの自宅にも入り浸っているような千谷道雄さんモデルの増山が嫉妬する、という複雑な構成。

 その後、二人は完全に別れますが、1959.9に書かれた『六世中村歌右衛門序説』はプロの作家として、歌右衛門さんを持ち上げています。

 なんてことを頭におくと、円地文子『女形一代 七世瀬川菊之丞伝』もさらに深く読めます。

 これは歌右衛門さんにからむスキャンダルを全部入れました、みたいな暴露本。でも、さすがに文化勲章を受けた作家なんで、そんなことは言われなかった、みたいな感じでしょうか。

 主人公である七世瀬川菊之丞伝のモデルはもちろん歌右衛門さん。幼なじみの踊りの師匠が、その女形の一生を語るという構成になっていますが、たぶん、そのモデルは初代吉右衛門さんの長女・正子さんじゃないかと思います。なにせ、実際に歌右衛門さんと正子さんとは、幼なじみで、しかもおままごとで遊んでいたという…。

 にしても、駆け落ちの相手は北海道出身の使用人とは…。あと、奥さんは自殺だと描かれています。その時、演じていたのが『四谷怪談』のお岩さんだったというのは、記録上からもそうらしいんですが、いやはや…という感じです。田舎娘の使用人に生ませた子どもがいるというのは、さすがにフィクションなのかな…。それと、まあ、同じようにフィクションでしょうが、三島があっちの方向に行ったのは、歌右衛門さんにフラれたからだ、みたいな感じで書いてあるのが、さすが怖い者知らずの文化勲章受章者w

 ぼくが歌右衛門さんを好きだったのは、祖母が贔屓にしていたからなんですが、いやー、にしても歌舞伎の人たちはいろんなことやってるわ…という印象でしたw

|

« サッカー協会の強化担当に原博実氏が就任へ! | Main | 「いたる」の天狗舞蔵出しミニタンク »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/23829/44053681

Listed below are links to weblogs that reference 歌右衛門本二冊:

» おそろし 三島屋変調百物語事始【宮部みゆき】 [本・月のうさぎ堂]
宮部みゆきの「百物語」、ここに始まる。 [Read More]

Tracked on February 15, 2009 at 12:38 AM

« サッカー協会の強化担当に原博実氏が就任へ! | Main | 「いたる」の天狗舞蔵出しミニタンク »