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January 19, 2009

『文楽のこころを語る』

Bunraku_sumitayu

『文楽のこころを語る』竹本住大夫、文春文庫

 ぼくは祖母の影響もあって、歌舞伎は子どもの頃から情報にも接していて、親しんでいたというか、好きなのですが、文楽といいますか、浄瑠璃の世界は食わず嫌いを通していました。

 歌舞伎の出し物が浄瑠璃で当ったものを引っ張ってきたものが多いといいますか、昔でいえばSonyが開発したら松下がパクるというような感じであったということも後年知るのですが、どうしても「やっぱり生身の役者がやんなきゃ面白くないじゃん」的なところがあるのと、人形自体があまり好かないということもあってか敬遠していたんですね。

 ということでしたが、先日、帰りに読む面白い本がないので六本木の本屋をうろうろしていたら、文春文庫で人間国宝の住大夫さんの『文楽のこころを語る』を見つけて、なんか「読んでみようか」と思ったんですよ。そしたら、大正解。

 やっぱり食わず嫌いというか無知はアカンですわな。

 ぼくは恥ずかしながら、曽根崎心中が復活モノだということを知りませんでした。wikiそのままですが《戦後1953年、歌舞伎狂言作者の宇野信夫が脚色を加え、復活した。人形浄瑠璃では1955年1月に復活公演が行われた》というんですわ。「この世の名残り、夜も名残、死に行く身をたとふれば、あだしが原の道の霜、一足づつに消えて行く、夢の夢こそあはれなれ。あれ数ふれば暁の、七つの時が六つ鳴りて、残る一つが今生の、鐘の響きの聞き納め、寂滅為楽と響くなり」なんていう五七調を無邪気に感激していたのはどうなってしまうんでしょ。

 というのも住大夫さんは、「近松ものは字余り字足らずで、私嫌いでんねん」(p.193)「なんで近松もんのは、こない人気があるんのんや」(p.205)と公言してはばからないのです。「傾城反魂香(けいせいはんごんこう)」なんかも、内容まで変えられているとのこと。

 いやー、勉強になります。

 まあ、住大夫さんも、浄瑠璃は教養番組ではなく、あくまで娯楽番組なんだといっておられるので、こんなところに感心するのはよくないのかもしれませんが、不明を恥じるばかりです。

 最後の対談のところで、大阪弁が大切だみたいな話から、松嶋屋さんのところの孝太郎君も東京生まれ、みたいなところに飛んで「藤十郎さんに前から時々、息子はんの嫁はんは東京の人でかまへんけど、関西に二号を持たしなはれ、て冗談言うてる」というのは素晴らしいな、と。

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