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December 12, 2008

『民主党 野望と野合のメカニズム』

Democrat

『民主党 野望と野合のメカニズム』伊藤惇夫

 とりあえず、次に総選挙が行われれば、久々に自民党の主流派は野に下り、民主党が中心となった政権が作られそうなので、自民党から新進党、太陽党、民政党、民主党の事務局を渡り歩いて「新党請負人」の異名を持つ伊藤惇夫さんの本は読む価値はあるかも。にしても、太陽党なんてのもスッカリ忘れていましたが、細川政権の母胎となった日本新党以来、どれだけの「段ボールハウス」的な新党がつくられ、消えていったのかというのを思い出すだけでも、感慨深いものがあります。

 なんでも、この間に誕生した新党は30余。なぜこうなかったといいますと、小選挙区制度によって、総選挙のたびに選挙互助会のようなものをつくらないと非自民の政治家は生き残っていけなかったからだ、ということになります。そして「鳩菅」といういささか頼りない二枚看板でスタートした民主党が唯一生き残ったわけですが、改めてこの本を読んでみると、強い者が生き残ったというより、生き残ったものが強いといいますか、適者生存といいますか、運も味方にしてたまたま塊が大きくなっていった、という過程が感じられて、なんつうかいじらしいものがあります。

 だいたい、最初の民主党の結成が、自社さ連立政権下で橋本首相によって行われた総選挙に対して「このままでは自民、新進の二大政党の中で埋もれてしまう」という鳩山兄弟と当時は新進党に所属していた船田元によって主導されていたなんて忘れていましたよ。結局、この時に出来上がった旧「民主党」は排除の論理で武村蔵相の参加を認めない一方、社民党系の自治労や全逓などの支援を受ける左派にウイングを広げる形でスタートしたんですが(それが原因で船田元も参加を見送る)、この"原始民主党のかたち"に今の新「民主党」も規定されているな、と改めて感じます。

 旧「民主党」は鳩山兄が資金面でのオーナーとなり、薬害エイズ問題で人気を博した菅直人との二枚看板で選挙に臨みますが、結果は改選前の52議席と変わらず。《中途半端な成績に終わった》(p.45)のですが、最も痛手を被ったのは新進党で、改選前の議席を確保できなかった小沢党首への批判が強まり、97年12月には解党。小沢一郎の放浪が始まります。

 まあ、後は読んでのお楽しみですが、伊藤惇夫さんならではの《鳩山が行う人事はいつも、どこかに奇妙な感じが付きまと》うというあたりは、なるほどな、と思いました(p.70)。

 党首がコロコロ変わる理由について、民主党の議員は自力で根を張ろうという努力をしないから、選挙では「追い風」にすがらざるを得ず、「追い風発生装置」としての党首が使い物にならなくなれば、看板をつけかえざるを得ない、というあたりは言い得て妙だな、と(p.124)。

 民主党内のグループですが、菅直人を中心とする「国のかたち研究会」には長妻・ミスター年金・昭とか、金田誠一、筒井信隆などの代議士の他、参議院にもタレント性豊かな人材を揃えていて「なかなか強いんだな」と思いましたかね(p.169)。

 また、党内のスタッフには旧社会党出身者が多いというのも、どこか青臭いというか、リベラルな雰囲気というか、左翼チックなところを感じさせるのかな、と改めて思いました(p.186)。

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