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December 16, 2008

『桶狭間・信長の「奇襲神話」は嘘だった』

Okhazama

『【信長の戦い1】桶狭間・信長の「奇襲神話」は嘘だった』藤本正行、洋泉社新書

 桶狭間の戦いは、信長によるゲリラ的な迂回攻撃が奇跡的に成功した戦いだとずっと思っていましたが、どうも最近の説は違うようです。

 伝統的な「迂回攻撃説」は後代の作である小瀬甫庵『信長記』を元に、旧軍の参謀本部がまとめた『日本戦史・桶狭間役』によって広められものであり、より真実に近いのは太田牛一が『信長公記』で描いているように、信長が偶然仕掛けた正面攻撃が、たまたま今川義元のいる本隊にクリーンヒットし、総崩れになった、ということらしいんですな。こうした「正面攻撃説」をずっと書いている藤本正行さんが、細々と『信長公記』を引用しながら解き明かす、というのが本書。

 信長が戦争における情報の重要性を知っていたからこそ勝利できたというのは参謀本部が軍人の卵たちにそう教えたかったからにすぎない、というんですな。

 なにせ、一次資料は『信長公記』しかなさそうなので、それを丹念に読み込んでいけば、こうしたことを含む様々なバリエーションは推論にしかすぎないということはいえそうです。

 また、今川義元が信長と戦ったというのも上洛が目的ではなく、三河、尾張での支配を強固にするための通常の戦いであったみたいですね。

 考えてみれば、天下人を狙っていた貴族的な義元を、野生的な信長が乾坤一擲、ゲリラ戦法で打ち破り、やがて「天下布武」の印判を使用するまでになったというのは絢爛豪華すぎるというか、出来すぎた話ですよね。

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