『裏窓』とGM
GMの株価が急落した10月、ヒッチコックの『裏窓』を見直しました。
自宅療養しているジェームズ・ステュアート扮するカメラマン(一眼レフはエグザクタを使用)を世話する通いの看護婦役がセルマ・リッター。その彼女が、物語の冒頭、大恐慌を予想するなんて簡単だった、といっていたんですね。
「だって(当時から通いナースしていた)GMの社長が、毎日、神経性の下痢でトイレに10回も駆け込んでいたのを見たんですもん」みたいな話だったんですが、今回、数兆円の債務超過になっているRick Wagonerのお腹の具合はどうなんでしょうね。
『裏窓』のセルマ・リッターはOverproductsが原因だと言っていましたが、今回はローンの破綻なんでしょうね。先日も、ある経営者たちの集まりで話を聞いていたら「自動車メーカーもあかんな。アメリカではもうローンでクルマ買えなくなってきているらしいから。結局、アメリカ政府のやってることは、ドルを印刷しまくって不良債権を買い取ることだからゼロ金利にして、インフレ押さえるしかないんだろな」みたいなことを言っていましたが、本当に100年に1回感が高まってきました。
今が誰も経験したことのない時期だというのは、アメリカがドルを印刷しまくり、その一方でゼロ金利を行うという、普段は誰も分からないような数式を扱っている人々の行動からすれば、乱暴すぎること強引に進めようとしているように感じます。
しかも、恐ろしいのは、周りの国々が黙ってみているしかない、ということ。
インフレに出るか、デフレに出るか。
個人がどうやって生き延びて資産を守るか。
真剣に考えなければならないと感じます。
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