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November 04, 2008

『ラクダのコブのある自転車乗りになりたい』

Enzo_camel

『ラクダのコブのある自転車乗りになりたい』エンゾ早川、双葉社

 えー、最近、凝ってるエンゾ早川さんの本。ご紹介するのは3冊目でしょうか。

 『まちがいだらけの自転車えらび―幸福な自転車乗りになるための正しいロードバイクの買いかた』の前編といいますか、エイド・ステーションという自転車店を始めるに至った経緯を、早稲田大学時代も含めて書いています。

 早大を卒業しながら、福岡でのスポーツジムでのアルバイトぐらしか仕事がなかったというのが95-6年頃の日本の深刻な景気後退をあらわしているようで、単位が足らずに内定していたスポーツ・クラブに入れなかったというあたりからの悪循環は貴重な同時代史にも感じました。その後、ポラールというメーカーのハートレートモニターを普及させたいという一心で東京に再び出てくるも、就職した会社は倒産。結局、茅ヶ崎でのアンテナショップを負債も含めて引き継ぐ形でいまの店を経営するようになったというんですね。この時に取引停止になったというあたりからアメリカンブランドの自転車メーカーは信用しないという姿勢が鮮明になってきます。

 自転車論に関しては、トライアスロン専用バイクなどというものは、マーケティング戦略から出てきたもので、普通のロードバイクを買った方がいいというあたりは、なるほどな、と。

 また、GIOSにたどり着くまでの自作自転車の変遷なども参考になりましたかね。

 本のタイトルともなっている「ラクダのコブ」はツール・ド・フランスなどに出場する選手たちのフォームを見てエンゾさんが名付けたもの。十二番胸椎あたりで背骨を曲げると、付着している大腰筋がひっぱりあげられ、効率的なペダイリングができるだけなく、すぐ近くの横隔膜も動いて腹式呼吸の吸気量もアップする、とのことでして、この後の麻酔医との対話も参考になります。

 《アームストロングとかウルリッヒとかがタイム・トライアルを走っているときにお腹が垂れ下がっているでしょ?なにかを食べてお腹いっぱいになってるってわけじゃないんですよ》《(麻酔医は)経験的に大腰筋を生命力のバロメーターとして見ることがあるんです。大腰筋がふとくしっかりしている人はそこそこの手術に耐えられる。逆に細い人のばあいは、とちゅうで心臓が停止してしまうことを想定します》《(大腰筋が細いと)仮に手術がうまくいっても予後はあまりよくないですよね。人間は歩けないとなかなか快復はできないですから》《だから、医者の立場から、自転車ほど体にいいスポーツはないと自信をもって断言できますよ。心配機能も筋力もアップさせてくれて、ダイエットにも効果的で、しかもケガをしない。最高ですよね》(p.165-7)

 まあ、ちょっと自伝の部分ではウェットな記述がナンだなと思ったり、やたら自己啓発セミナー的な"神"みたいな話も出てくるのが気にかかりますが、エンゾさんの本が、非常にわかりやすいことは事実でして、これからも《"自分史上最高の自分"に出会うために》(p.33)自転車には乗っていこうと思います。

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