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November 12, 2008

『フィットネスミシュラン 茅ヶ崎的カラダ変身プロジェクト』

Fitness_michelin

『フィットネスミシュラン 増補新装版 茅ヶ崎的カラダ変身プロジェクト』エンゾ早川、自由国民社

 エンゾ早川さんの本は、これでご紹介するのが4冊目。

 いきなり太った人が心筋梗塞を起こして病院に担ぎ込まれる場面から始まります。麻酔の量が分からない、メスが脂肪にジャマされて心臓まで届かない、カテーテルが入らない…という混乱が続く。お客さんである医療関係者の方から聞いたのでしょうか、実話だそうです。太るって怖い。ならば《どうせ生きているのなら、健康で強く美しいカラダとココロであること》が望ましいのではないか、と(p.18)。そして、自分の体重はコントロールできる、と。

 人間は1日でどれだけ痩せられるか?というのも初めて知りました。身長178cm、体重70kgという小生とほぼ同じぐらいというか少し痩せている人工心肺技師の方が、飲まず喰わずで何時間も運動して下剤を飲んで寝たら4.5kg痩せたそうです。もちろん、命にかかわるのですぐにポカリスウェットを1.5リットル飲んだそうですが、このように体の水を外に出しても痩せたことにはなりません。人間は1日に2-5kgの飲食物を取り込み、2-5kgを代謝・排泄して生きているそうです。そして人間は体重の2%の水分を失うと何らかの異常を感じ、5%を超えると相当不快になり、10%を超えると錯乱・痙攣から昏睡に入り、死に至るそうです。《ダイエットって、毎日コツコツやって、月1-2kg程度体重を減らしていくのってのが健全》(p.26)なわけですが、このためには毎日700kcalを食事から引くか、毎日1時間運動する必要がある、と。そして、貯蓄エネルギーとしての脂肪は運動の邪魔になりにくいところ、つまり重心(お腹のまわり)に近いところからつきはじめるから、最後まで腹回りだけは痩せない、と(p.30)。こんなことが書いてある一章はすごく説得力あります。

 そしてスリムな体、そう、ツールやジロを走るロードレーサーみたいな体をつくるためには、スロー&ロング・トレーニングが必要だ、というのが二章。

 朝起きて、水一杯飲んで、できるだけ食べずにトレーニングを開始すれば体内の脂肪を燃焼させやすい(食べたらそれが運動に必要なエネルギーに使われ、脂肪は1gも燃えない)と目ウロコ状態になったのが三章。食べないで動くことに恐怖を覚える人もいるかもしれないけど、トレーニングを開始すれば体内の脂肪が燃えて血糖値もあがるエアロビック・ベースができあがるそうです。これ、試してみようかな…。食事は炭水化物(パスタ、芋類、精製していない穀類)、たん白質(魚、豆腐、乳製品、玉子、鶏肉)、脂肪(オリーブオイル、ゴマ油、キャノーラ油)を4:3:3の割合でとることが重要だと書いてありまして、ニンニクと唐辛子には血管を広げて血流をよくする効果があるそうです(中本万歳!)。

 ウォームアップとクールダウンはそれぞれ最低15分というのが第四章。また、ストレッチは運動の間中、脳と筋肉の間を行き来していた電気信号をストップさせることで、コリや疲労を防ぐものであり、クールダウンの時にこそ必要で、ウォームアップは軽い柔軟体操ぐらいにとどめておくべき、というのも自覚的にはやっていませんでした。逆にウォームアップでストレッチをやりすぎると危険だそうです。また、運動中に捻挫した場合は患部を動かさず心臓より高く上げて氷などで圧迫しながら冷やすというRICE処置が重要とのこと。

 エンゾさんには腸腰筋の重要さを教えてもらったのですが、それを鍛えるには子どもの頃みたいに膝を腰より高くあげるような運動が重要であり、一番、自然なのが自転車である、というんですな(第6章)。あと、ぼくはあまり肩こりに悩まされないのですが、これは今もって野球のキャッチボールやシャドーピッチングみたいなことをやっているからなのかな、と思いました(p.152)。

 エンゾさんのお勧めのミネラルウォーターはWATTWILLER(ヴァットヴィレール)だそうで、これはカルシウムの含有量が高いからなんだそうです(P.160-)。なんでも競走馬にカルシウムを多く与えることは、かなり以前から行われているとのこと。また、グリコCCDドリンクのパウダーがお勧めのスポーツドリンクだそうです。

 《プールだけのフィットネスで痩せることに成功した人を見たことがない。むしろ太るというべきだろうか。それというのは、水の中に長時間入っていると、人間は体温が下がらないように、脂肪を付けて内臓を守ろうとするからである。これはアザラシがまるまると太っているのと同じ理由だ》(P.168)というのも思い切った言葉ですね。しかし、腑に落ちます。個人的な経験でもそうですもん。

 ぼくは自転車に乗っていると自由だな、と感じます。エンゾさんの言うように《こういったスポーツをやってる人って、ひとりでできるからこそ、くだらない他人の干渉をしたりしない》(P.177)というのですが、そうした人を目指したいですな。

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