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November 02, 2008

『消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎』

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『消えた反物質―素粒子物理が解く宇宙進化の謎』小林誠、講談社ブルーバックス

 今年のノーベル物理学賞を受賞した小林誠教授ですが、その受賞理由となったのが「CP対称性の乱れ」。

 ビッグバン直後は、電荷が逆であることを除けば性質は粒子と同じ反粒子が、対生成と対消滅を繰り返していたと考えられます。現在、宇宙は物質にあふれていますが、これは、粒子の方が反粒子よりも10億分の1だけ多かったという対称性の乱れが存在するからだ、というのを小林教授みずから一般読者向けのブルーバックスで説明してくれていたのがこの本。初版1997年で、重版されましたが、さらに受賞を機に3刷がかかったということで、なによりです。

 この本、一般向けなんでしょうけど、数式ガンガン出てきますし、難しい。

 でも、概論中の概論である序論だけでも読むと、いま、世界中で物質の始原を求めた実験が進められていることがわかります。

 物質の基本的な構成要素はクォークとレプトンであり、粒子と反粒子が存在するというあたりから、その非対称性が10億分の1で発生すること(p.25)、その証拠はK中間子で発見されたこと(K0と-k0の割合が一対一からわずかにずれている、p.30)、しかしK中間子以外ではCP対称性の乱れは30年間も観測されていないこと。

 また、こうした議論の中でCP対称性の乱れはクォークが二世代しかないと仮定すると発生せず、三世代なければならないということを益川・小林両教授が指摘したことが今回のノーベル物理学賞につながった、と。

 さらに、CP対称性の乱れがK中間子でしか観測されていないことは標準理論にとって深刻な問題であり、そのためにB中間子での観測を目指して、工場のようにB中間子をつくる加速器が筑波とカルフォルニアで建設された、というあたりが全体の流れ。

 今年、荷電B中間子と中性B中間子の崩壊でCP対称性の破れが観測されたということで、世の中はキチンと動いているんだ、と感動しています。

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