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October 16, 2008

『荒野へ』

To_the_wild

『荒野へ』ジョン・クラカワー(著)、佐宗鈴夫(訳)、集英社文庫

 書評の声をかけていただき、最近では1ヵ月に8冊は指定されている本を読ませていただいておりまして、なかなか、趣味の読書が進みません。

 ということで、先日、煮詰まって六本木ABCをうろついていたら、『荒野へ』ジョン・クラカワーを見つけて帰りの電車の中で読みました。

 まあ、ランボーからポール・ニザンまで、よくある話なんでしょうけど、大学卒業と同時に家族の前から消えて北アメリカを放浪し、アラスカで短い生涯をとじたクリストファー・マッケンドレスの足跡を同じようなことをやってきた登山家でもあるジョン・クラカワーが丁寧に追った、という作品。映画『イントゥ・ザ・ワイルド』が話題になっているので、ご存じの方も多いでしょうが、個人的には登山自体もあまり好きではないので、心情的に共感することはないのですが、若気の至りの無謀な死という見方を作者が最後に反駁した手法は見事だと感じました(もっとも、それが真実であるかどうかは分かりませんが)。

 クリストファー・マッケンドレスの情熱は分からないのですが(単なる自傷行為とも思えるし)、この言い方はなるほどな、と思いました。

 危険な行動に出るのは、ほかの多くの行動と同様、私たちの文化における通過儀式である。危険はつねに確かな魅力をもっている。こんなに多くのティーンエージャーたちが車を暴走させたり、大酒を飲んだり、ドラッグにふけったりする理由も、大部分はそれであり、だから、国家が新兵を募って、若者を戦場へ送るのも、いつだって簡単なのである。若者の勇敢な行動は事実、進化論的にも適合しているし、遺伝子にも組み込まれていることは立証できる。マッカンドレスはマッカンドレスなりに、ただ限界と思われるところまで危険を冒そうとしたにすぎない。

 ただ、個人的には、いくら景色がキレイだとはいっても蚊が群れているような夏のアラスカには行きたいとは思えませんが…。

 あと、バックパックからレミントンの台座が見えているようなヒッチハイカーでも平気で乗せてしまうようなアラスカ人気質というのは確かにあるんだな、と話題のペイリン女史のこともチラッと思ったりしました。

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