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October 07, 2008

『刑法入門』

Keihou

『刑法入門』山口厚、岩波新書

 もう来年といいますか09年5月21日から裁判員制度が始まってしまいます。民主党政権になったら延期されるかもしれませんが、もう1年を切っているわけで、刑法関係の啓蒙書なんかも出るようになってきました。

 ということで岩波新書から出たこれを読んでみました。

 ぼく自身は法律なんかにはまったく興味がなく、大学の一般教養でもほとんど授業に出た記憶もありません。当時は愚かにも「為政者が恣意的に決めたんだろ。そんなのマジメに勉強してられるか」という意識でした。しかし、人文科学の学問なんていうのは、元々、恣意的なものにすぎないのかもしれませんし、それでも、そこに何らかの価値があるんだということで行う学問というのは、生きていることは無意味ではない、ということの証なのかもしれません(しかし、その後も法律に関しては改めて勉強する気もおきませんでしたが…)。

 ということで全くの門外漢なのですが、この本は犯罪とは「法によって禁止され、その違反に対して刑罰が課せられる行為である」という原則と、刑罰には生命刑(死刑)、自由刑(懲役、禁錮、拘留)、財産刑(罰金、科料、没収)だけが日本では認められているという概要に始まり、犯罪の成立要件と正当防衛など犯罪が成立しない場合の説明で終わる、という構成。

 刑の執行猶予は懲役・禁錮刑の執行が終わってから5年以上たってないと受けられないとか、不勉強ながら全く知りませんでした(p.13)。

 あと、最近では犯罪を「倫理違反」というよりも「利益侵害」として捉える視点の方が有力になっているというあたりも知らなかったですね(p.32)。

 違法性の脱却、相当因果関係(p.117)、構成要件的符号説(p.156)、重畳型共犯と分担型共犯(p.168)とかも。
 とりあえず、読んでみました、という感じかな。

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