SIMPLE BICYCLE STYLE
『SIMPLE BICYCLE STYLE』タツミムック
大橋巨泉さんの「後半生を楽しむには、屋内外に最低一つずつの趣味が必要」という話は、なぜか最近、よく聞くのですが、確かに、まあ、その通りだとは思うんです。
ぼくの場合、屋内は読書、ギリシア哲学あたりで問題ないとは思うのですが、屋外については「どうなんだろ」と少し考えました。今は友人たちとサッカーや野球をやっていますが、あと20年できるか、といったら厳しいかもしれない。巨泉さんのようにゴルフというのは、そんなに好きではないし…と悩んでいたら、素晴らしい趣味があらかじめ用意されていました。あまりにも身近すぎて、趣味だと意識したこともなかったのですが、良く考えてみれば子供の頃から慣れ親しんで、しかも素直に好きだといえる屋外のスポーツ。そう、自転車乗りです。
大学に入っても、まず買ったのは自転車でした。アロー自転車のオリジナル。今でいうシングル・ギアのピストで、ブレーキはバックを踏んでかけるタイプ。社会人になって四谷の出版社を半年で辞めて、今の六本木にある会社に入った時は、ジデツウをやろうと思いたち東急ハンズオリジナルの700Cのロードレーサーを購入。広尾から六本木までと短い距離でしたが楽しく通っていました。バブルで踊っているうちにジデツウを忘れ、タクシーで通勤するようになり、そのうち盗まれて、自転車そのものを忘れましたが、横浜に移ったとき買ったのもMTBでした。それも盗まれてあまりにも悲しく、安物のMTBを購入しましたが、やはり愛着がわかずに、それを処分して、買ったのが今のCenturionというドイツのフレームメーカーのMBT。ギアにシマノのXTをおごっているところが気に入りました。
ということで先々週あたりから、遠いところから準備を開始。まず、持ち運びできるGPSとしてiPhoneを導入。また、足ならしとして、今のMTBを少し整備しつつ、鎌倉や八景島あたりまで漕ぎにいきました。
そんな中で、やっぱり自転車いいじゃない、という気分が確かなものだと確信したので、マンションで2代目の駐輪場確保した後、新しいのを注文しました。
何も略さなくてもいいんですが、略すとフジトラ。これこれそJapan Coolという感じのシングル・ギアのシンプルな自転車です。
元はといえば競輪選手の使っているようなシンプルきわまりない自転車で、基本はトラック(自転車競技場)で走る専用タイプですね。ということで、本当のピストはノーブーキですが、公道を走るためには前後にブーキを付けます。不本意ながらも「この世の正義は六法全書」だと思っていますので。
本当は安いFuji Track 2008にブルホーンというドロップハンドルの下を切って角のよう突き出したハンドルつけて(マジ走りでない限りハンドルの下の部分は持ちませんので理に適ってます)、タイヤにはスタンズの液体を入れてチューブレス化してパンクへの恐れをなくし、色は白で…ぐらいの気持で注文しに行ったんですが、もう入らないと言われまして…。なにせ、安いんですよ。¥58,800なんですから。
ということですが、なんとかProなら入荷しそうだというところと連絡が取れて、仮注文しました。確定ではないとのことで心配なんですけど、また入ったら、ご紹介します。
ということで、自転車を始めようかな、と周りに言っていたら、友人が送ってくれたMookがSIMPLE BICYCLE STYLE。版元は知る人ぞ知るタツミですが、内容はよかったですよ。
自転車専門の雑誌ではないぶん、肩に力が入ってなくて、情報を巨泉さんじゃないけど「広く浅く」集めるには持ってこい。
メッセンジャーの方たちをとりあげた写真もいいし、基本的な乗り方なんかも紹介してくれているところや、アレンジを含めた提案も悪くないです。
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